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「飛べ!フェニックス」 [映画]

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〔1965年/アメリカ〕


サハラ砂漠上空を飛行していた小型機が、
砂嵐に遭遇し、
砂漠の真ん中に不時着してしまう。


この事故で、2人が死に、1人が負傷。
生き残ったのは10人。
パイロットのジェームズ・スチュアートは責任を感じるが、
この場所に救援隊は来そうにもなく、
自力で脱出する以外、生きる道は無さそうだった。


乗客の1人で、陸軍大尉のピーター・フィンチは、
オアシスを探すと、2人を伴って出掛けてゆくが、
結局、1人を死なせただけで戻って来る。
その後も、様々な生きる道を模索するが、
上手くはいかない。


そんな中、墜落機を調べていた若いドイツ人・ハーディ・クリューガーが、
「これだけの部品があれば、
 それらを組み合わせて、新しい飛行機を作る事ができる」
と言い出した。
彼は、自分は飛行機デザイナーだと言うのだ。


皆はクリューガーに期待をかけるが、
ベテランパイロットとの自負があるスチュアートは、
そんな事は無理だと、頭から否定する。
その後も幾度となく、
スチュアートとクリューガーは対立するが、
飛行機の製作は進んでゆく。
ところが、クリューガーの身の上に関して、驚くべき事実が発覚し・・・。





広大なサハラ砂漠に不時着し、
もはやこれまでと思われた男たちが、
砂漠を脱出するまでを描いた物語。


これは本当のサハラ砂漠で撮影されたのであろうか、
不時着した男たちの周囲は、
サラサラの砂の景色が延々と続き、
観ているだけで、喉が渇きそうになる。
アメリカの、サボテンが生えているような砂漠ではなく、
虚無とでも言うのか、絶望的な印象さえ受ける。


そこから脱出する為の、
様々な試みも面白いけれど、
それだけでなく、10人の人間関係のドロドロも描かれる。


特に、大尉と部下である軍曹の関係が興味深い。
大尉は、このような状況においても、
軍隊の上下関係を持ち出し、
軍曹に命令を下す。
最初は適当にかわしていた軍曹だけど、最後は拒否。
軍隊に限らず、
運動部の先輩と後輩や、会社の上司と部下なんかの力関係って、
全く関係ない場所で、どこまで生きてくるんだろう。
ちょっと気になる。


ジェームズ・スチュアートと言えば、
“いい奴”というイメージを勝手に持っていたのだけれど、
この映画の彼は、
結構頑固で、人の話を聞かない、認めない。
珍しい役な気がしたのだけれど、どうなんだろう。
そんな彼をとりなすのがリチャード・アッテンボロー。
アッテンボローがいてくれて本当に良かったと
思わせるシーン多数。


ウィキペディアによると、
ジェームズ・スチュアートは、
スキャンダルとは無縁の俳優さんで、
結婚した妻とも、死ぬまで連れ添ったという、
ハリウッドでは稀有の存在らしい。
この映画では、ちょっと扱いづらい男を演じてたけど、
やっぱり私生活でも真面目なのね。


評価 ★★★☆☆

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