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「わたしの可愛い人 シェリ」 [映画]

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〔2009年/イギリス〕


20世紀はじめのパリ。
ベル・エポックと呼ばれるこの短い期間、
高級娼婦たちは高い地位を誇り、
蓄財し、
優雅に暮らしていた。


その中の一人レア(ミシェル・ファイファー)は、
昔の仲間ブルー(キャシー・ベイツ)から、
19歳の息子シェリ(ルパート・フレンド)を預かる。
ブルーは放蕩息子のシェリを持て余していたのだ。


すぐ終わると思われたレアとシェリの関係だったが、
同棲は6年間も続いた。
親子ほどの年の差とはいえ、
互いの存在が居心地良く、
離れがたい関係になっていたのだ。


ところがシェリに縁談話が持ち上がる。
相手は19歳。
レアの衝撃は計り知れなかったが、
その気持ちを押し殺し、シェリを祝福する。


レアはプライドの高さから、
「新しい恋人と旅に出る」とブルーに言い残し、
姿を消す。
新婚旅行から帰ったシェリは、
レアの不在を知りショックを受ける・・・。





「同じ日に死にたいと思うほど、あなたを愛してきたわ」


これはレアがシェリに、
ラスト近くで言うセリフなのだけれど、
うわーって感じで、
思わず、普段はしないメモまでしちゃったよ(笑)。


同じ立場になった事はないけれど、
言いたい事はとってもよく分かる。
親子ほど年が違うとはいえ、
6年間も一緒にいた男女は、
そう簡単に「はい、さようなら」なんて、
できるわけがないものね。
まして2人は、喧嘩して別れるわけじゃないし。


シェリの結婚式の最中、
レアは自宅で声を押し殺して泣いている。
号泣でないのが、
逆になんとも切ない。
けれど、他人の前に出ると、
そんな様子はおくびにも出さないレアのプライドが、
またいい。


レアはとても美しいけれど、
それは、「その年にしては」ってだけで、
19歳の花嫁には絶対に勝てない。
放蕩者のシェリは、
別に若い女を求めているわけではないけれど、
(逆に、自分が女をリードするのは面倒臭そう)
レアとの関係は、
永遠に続けられるものでもないしね。


レアとブルーの関係がまた微妙で。
ブルーはレアに息子を預けるくらいの仲なのに、
それでいて、レアを憎んでいるような様子も見せる。
「私は全てを手に入れた。あと持っていないのは孫だけ」
みたいな事を言う。
そ、それだけは、
レアがどんなに頑張っても、どうしようもできない事じゃないか。
なんでそんな意地悪を言うかな。
女同士って、時に本当に残酷。


評価 ★★★☆☆

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