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「ラーメン大使」 [映画]

ramentaishi.jpg
〔1967年/日本〕


中国人の王さん(フランキー堺)は、
船に乗ってはるばる日本までやって来た。
王さんがまだ母のお腹にいるとき、
母は日本人の兵隊・山川という人から、
大変に親切にされ、
その恩返しをするためだった。


船から降りる時、
船長が王さんにチャイナ服をプレゼントしてくれた。
その親切に感激する王さんだったが、
実は船長は悪人で、
チャイナ服に麻薬が縫い付けてある事を、
王さんは知らなかった。


山川さんを探す為、
早速、交番に行った王さんだが、
名前だけでそう簡単に見つかるはずもなく、
とりあえず、お巡りさん(船越英二)の下宿である、
ラーメン屋の二階に滞在する事になる。


王さんは、素朴で明るいその人柄から、
周囲の人々から人気者になる。
何より、彼の作るラーメンは、
滞在先のラーメン屋のそれより美味しく、
評判になったのだ。


その一方で、王さんの服に仕込まれた麻薬を取り戻す為、
ヤクザが彼をつけ回し・・・。





フランキー堺が中国人・王さんに扮して、
日本で活躍する喜劇。
カタコトの日本語を話す堺さんの
すっとぼけた感じが可愛い。


麻薬の密輸という犯罪も絡んでくるわけだけれど、
喜劇らしく、
ヤクザまでがすっとぼけている。
王さんの服に縫い込んである麻薬を取り戻す為、
銭湯に忍び込んだりするのだけれど、
間違って、船越英二巡査のズボンを持ってきてしまったりと、
笑える場面がいくつもある。


なにより、これを観て悪い気がする人はいないというのが良い。
まず、戦争中の中国で、
王さんのお母さんに大変に親切にする日本兵・山川さん。
お母さんが出産間近いと知った山川さんは、
お金を渡して、これで病院にかかれと言う。


そして、そんな山川さんの親切に、
恩返ししたいという王さん。
どちらもエピソードも、
観ていて大変に嬉しく、
みんながこんな人たちばかりだったら、
日本と中国ももっと上手くいくのになぁと思う。


元々テレビドラマだったものを、
映画化したらしい。
脚本は花登筺さん。
偶然にも、つい最近、
花登筺さんの小説「あかんたれ」を読んで、
大変に面白く感じ、
花登さんの作品で、
映像化されたものを観てみたいと思っていた所だったので嬉しかった。


花登さんの作品で、
一番観てみたいのは、
テレビドラマ「細腕繁盛記」。
あらすじを読んだだけでも面白くて。
DVDが出ればいいのだけれど、
フィルムは現存しているのかもよく分からない。


評価 ★★★☆☆

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