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「七瀬ふたたび」 [映画]

nanasefutatabi.jpg
〔2010年/日本〕


人の心を読む能力が備わった火田七瀬(芦名星)は、
同じ能力を持つ少年・ノリオ(今井悠貴)と、
七瀬を崇拝する、黒人青年で念動力保持者の
ヘンリー(ダンテ・カーヴァー)と3人で、
北海道の人里離れた村で暮らしていた。


自分の超能力を絶対に他人に知られてはならないとの理由から、
一つの職場に留まる事を避け、
以前は家政婦をしていた七瀬だったが、
ノリオとヘンリーという、
自分以外の超能力者と出会い、
共に生活する事になったのだ。


生活費は、七瀬がマカオのカジノに出向いて、
稼いでいた。
テレパスの七瀬にとって、
カジノのディーラーの心を読む事は簡単で、
能力を悟られないように適当に負けながら、
黒字を出していた。


日本に帰った七瀬は、
邪悪な集団が自分を狙っている事を感知する。
マカオで知り合った、
金持ちの道楽娘・瑠璃(前田愛)が、
自分の代わりに殺され、
関係のない他人を巻き込んだ事を深く後悔する七瀬。


北海道でノリオとヘンリーの待つ家に帰り、
また友人で、時間旅行者の藤子(佐藤江梨子)も合流するが、
超能力者抹殺集団は、
もう七瀬たちの居場所を突き止めていた・・・。





筒井康隆原作の七瀬3部作、
「家族八景」、「七瀬ふたたび」、「エディプスの恋人」は、
もう何度読んだか分からないくらい、
繰り返し読んだ。


主人公の七瀬が大好きだし、
男のリビドーもこの本から学んだ。
超能力者の存在を信じていたわけではないけれど、
人の心の表と裏、
他人に見せる顔と、内面の違いなど全て、
この本から教わった気がする。


超能力者が主人公だけれど、
それを殊更センセーショナルに扱うわけではなく、
たまたまそういった能力が備わった人間が生まれた、
という意識で生きているのも良かった。
1作目の「家族八景」は、
ホームドラマのようだし。


何度もドラマ化されているようだけれど、
映像化されたものを観たのは初めて。
これを観た後、
本棚から久し振りの本を出してきた。
上に書いた粗筋も、
映画のものなのか、
小説のそれなのか、
自分でもなんだか混乱してくる。


これって、原作を知らない人が観ても、
内容を完全に理解できるのだろうか。
この映画の作りでは、
細かい事がまるで伝わってこない気がする。
まずは七瀬の在り方から、
よく分からないのではないか。
初めて観るのに、「ふたたび」と言われたってなぁ(笑)。


芦名星という女優さんが、
七瀬のイメージかどうかは分からない。
原作には、
「どんなコンテストに出ても、3位以下になる事はないであろう美人」
とある。
どんな女優さんを持ってきても、
必ず異論は出るだろうし。


原作にある、
超能力全部を書き出してみる。


・精神感応能力
・予知能力
・透視能力
・念動力
・時間旅行


この中の一つだけ、
自分に備える事ができるとしたらどれにしようかと、
本を読みながら、よく考えたものだ。
学生の頃と違って、今はもう、
どれもあんまり必要ない気がしてるけど(笑)。


評価 ★★★☆☆

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コメント 2

desidesi

たしかに、原作を知らなかったら、
「ふたたび」ってピンと来ない筈ですよね。
「家族八景」より「七瀬ふたたび」の方が、
映画向きだから仕方ないのかな…。
私の場合、七瀬は多岐川裕美のイメージなんだけど。(古い?笑)
近年、「家族八景」が、夜中のドラマになってたけど、
録画して、結局1話しか観ないで消しちゃった。
by desidesi (2014-10-22 19:24) 

青山実花

desidesiさん
コメントありがとうございます。

確かに「家族八景」より「七瀬ふたたび」の方が、
七瀬たちの行動範囲が広くて、
映像には向いていますね。

今、ウィキペディアで調べてみましたら、
多岐川さんはいいとして、
堀ちえみさんでも映像化されている事に驚きました。
「どんなコンテストに出ても、3位以下になる事はないであろう美人」
という設定なのに・・・(以下自主規制(笑))。

最新のドラマも、
知らない俳優さんばかりで、
ちょっと食指が動きませんね。
やはり自分の頭の中で思い描く七瀬が一番なのかもしれません。

by 青山実花 (2014-10-23 23:15) 

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