「桜、ふたたびの加奈子」 [映画]
〔2013年/日本〕
容子(広末涼子)と信樹(稲垣吾郎)夫婦は、
もうすぐ小学校に入学する娘・加奈子と3人で、
幸せな生活を送っていた。
ところが、加奈子の入学式の日、
両親より先に校門に走り出した加奈子は、
車に撥ねられ亡くなってしまう。
加奈子の死を受け入れられない容子は、
自らも死を選ぼうとするが、
それも叶わず、
その後は、加奈子が生きているかのような言動を繰り返し、
信樹を戸惑わせる。
ある夜、容子は、
妊娠している若い女・正美(福田麻由子)に出会う。
正美は本来なら高校に通っているはずだったが、
中退し、出産に備えている。
正美の相談相手は、
小学校時代の担任・砂織(吉岡麻由子)だけだったが、
彼女はそんな砂織にも、
お腹の子の父親は頑として明かそうとはしなかった。
容子は正美と砂織と、
頻繁に交流するようになる。
そして次第に、
正美のお腹の子が、
加奈子の生まれ変わりではないかと思うようになる・・・。
原作は新津きよみさんのホラー小説だそうだけれど、
映画は、ホラー色は殆どない。
ラスト近くの展開で、
「あ、そういう事ね」と思うくらい。
小説の粗筋を読んでみたけれど、
ストーリーもかなり変えられているようだ。
映画では良い夫、良い父だった、
ゴローさん扮する信樹は、
浮気して、離婚するらしいし(笑)。
よく言われる事だけれど、
妊娠も、出産も、子育ても、
女のものなんだなぁというのを、
あらためて再確認した感じ。
この方面において、
なんだか男たちは蚊帳の外だ。
もちろん男がいなければ子供はできないし、
家庭における父親の存在が、
重要なのは分かってはいるけれど、
お腹に宿した命を慈しんできた者と、そうでない者の差は、
やっぱり大きい。
加奈子を亡くした容子が、
死のうとまで思い詰めるのに対して、
信樹は、「また子供を作ろう」と言う。
温度差が違う。
死に限らず、
昨日までそこにいた人が、
今日からいないって事が、
どれほど淋しいか、
その辛さが胸にくる。
基本は霊的な話なんだけど、
そちらの方は、まぁ、
どうでもいいや(笑)。
評価 ★★★☆☆
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