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「サイドカーに犬」 [映画]

sidecarniinu.jpg
〔2007年/日本〕


不動産会社に勤める薫(ミムラ)は、
久し振りに弟・透(川村陽介)に会った事をきっかけに、
小4の夏休みをふと思い出す。


その夏、
父(古田新太)と仲の悪かった母(鈴木砂羽)が家を出ていき、
すると、父の知り合いだという女(竹内結子)が
食事を作りにやってくる。


彼女は“ヨーコ”と名乗り、
煙草を吸い、豪快に買い物をする、
母とは正反対の女だ。


ヨーコさんは薫と対等に付き合ってくれる。
乗れなかった自転車の練習をしてくれたのも彼女だし、
突然、「百恵ちゃんの家を見に行こう」と言い出して、
夜の街に出掛けたりもする。


欲がなく、真面目な薫は、
そんなヨーコさんに惹かれてゆく。
ヨーコさんも、薫のいい所をいっぱい見つけてくれる。


ある日、お父さんと喧嘩になったヨーコさんは、
「私の夏休みに付き合って」と、
薫と伊豆の海に出掛け・・・。





長島有の原作小説は、
読んだような、読まないような、
記憶があやふやなのが
自分でも不思議だったのだが、
観終わって、色々調べて分かった。
この「サイドカー~」は、
長島さんの本、「猛スピードで母は」に収録された
一編だった。


どおりで、このタイトルを見ると、
条件反射的に、「猛スピード~」の本の表紙に描かれた、
強烈なイメージの女性が、
頭に浮かんできてしまうはずだ。


その、すぐ頭に浮かぶ女性と、
竹内結子の雰囲気が合わず、
最初はミスキャスト?と感じた。
どちらかというと地味な顔立ちの竹内は、
蓮っ葉な女には見えないからだ。


けれど話しが進むうちに、
彼女で良かったと思うようになった。
ヨーコさんは真っ当そのものではないけれど、
意外と知的な女性だ。


カッコいい自転車を颯爽と乗りこなす、
素敵な女性でもある。
母より薫の事を分かってくれる。
だからこそ、薫はヨーコさんが大好きになったのだ。


それにしても、
盗難車と知っていて売り捌くような父親に、
なぜ母も、ヨーコさんも惹かれるのか。
よほど口が上手いのか?(笑)


キャストが大変に豪華。
ほんのチョイ役を凄い人が演じている。
それから、少女期の薫役の女の子が大変に良い。
サラサラな髪が風に揺れて、
日本の女の子、って感じがする。


評価 ★★★☆☆

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