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「レクイエム・フォー・ドリーム」 [映画]

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〔2000年/アメリカ〕


未亡人・エレン・バースティンは、
テレビを見て、気を紛らわす孤独な日々。
しかも時々、そのテレビを
放蕩息子・ジャレッド・レトが古道具屋に売り飛ばしてしまい、
また買い戻す事を繰り返している。


ある日、バースティンはテレビ局からの電話を受ける。
いつも見ている大好きなクイズ番組に出演しないかと言うのだ。
大喜びした彼女は、
レトの卒業式で着た古いワンピースを取り出すが、
太ってしまったようで、ファスナーが閉まらない。
ダイエットするしかない。
そう決意した彼女は、近所の主婦から怪しげな医者を紹介される。


一方、レトは、
恋人・ジェニファー・コネリーとの生活を成り立たせる為、
金を稼ぐ必要から、
麻薬の売買を始める。
友人・マーロン・ウェイアンズと、
麻薬を仕入れるが、
元々ジャンキーだった彼は、
自分にもその麻薬を用い、
強い中毒患者となってゆく。


バースティンは、医者から痩せ薬を処方された、
4種類に色分けされた薬を、
1日4回、1錠づつ飲み始める。
効果はすぐ表れ、体重は減ってゆく。
近所の主婦たちは、
テレビ主演が決まった自分が羨ましそうだ。
なんだか注目されているようで嬉しい・・・。


麻薬を仕入れる為、
マイアミで出掛けるレトとウェイアンズ。
しかし途中で、レトの腕を見たウェイアンズは
悲鳴を上げる。


また、留守番のコネリーは麻薬が切れ、
禁断症状に苦しみながら、
体を売る為に、出掛けてゆく・・・。





凄い、とは聞いていたけれど、
本当に凄かった。


薬物を恐ろしさを描いた映画は沢山あるけれど、
その中でもかなりくる。
中学校は、このDVDを全生徒に見せるよう、
義務付けたらいいんじゃない?(笑)。
刺激が強すぎるけど、
それくらい印象に残った方が効果がありそうだ。


薬物中毒の映画の殆どは、
大抵は登場人物たちの自業自得と言おうか、
「手を出したのは自分でしょ」と言いたくなる内容が多いけれど、
この映画の一番の怖さは、
エレン・バースティンにあると思う。


彼女は、医者から処方された薬の成分を知らない。
ひたすら痩せたい、その一心から薬を飲む。
そして、その根底には、
逃れようにも逃れられない孤独感がある。


テレビに出さえすれば、
みんながチヤホヤしてくれる。
淋しくない。
そう思い込んでしまった彼女の心には、
もうどんな言葉も届きはしない。
孤独と無知。
この2つは、他人にはどうする事もできないではないか。


他の3人についても、
もうどうしようもないラストが待っている。
私は女だから、
特に、ジェニファー・コネリーの様子が心に残る。
もう彼女は、恥を恥とも思わない。
薬さえ手に入るのなら、
どんな事も厭わない。


麻薬を扱った映画やテレビは、
主人公が立ち直ったという内容にはしないと
聞いた事がある。
そうすると、
「一度くらいなら平気」という気持ちを植え付けてしまうからだとか。
確かにね。
一度だって、絶対、駄目なものは駄目なのよ。


評価 ★★★★☆

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