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「愛のイエントル」 [映画]

ainoyentl.jpg
〔1983年/アメリカ〕


20世紀初めのポーランド。
まだ女には学問など必要ないと言われていた時代。


イエントル(バーブラ・ストライザンド)は、
持前の好奇心と、学習意欲から、
学校で学びたいと強く望んでいたが、
周囲の人々からは、理解されない。


父親が亡くなったのを機に、
彼女は髪を切り、男装し、
神学校の試験を受け、合格する。


学友のアヴィドール(マンディ・パティンキン)とは、
互いに親友と呼び合うほど親しくなるが、
彼にも、自分が女だとは打ち明けられず、
イエントルの目の前で全裸になるなど、
アヴィドールがする、何気ない動作にも戸惑うばかり。


アヴィドールには、婚約者・ハダス(エイミー・アーヴィング)がいた。
彼はハダスを深く愛していたが、
ハダスに意志があるとは、想像した事もなさそうだ。
そして、イエントルは、
アヴィドールに恋している自分に気付く。


そんなある日、アヴィドールはハダスの父親から、
婚約解消を言い渡される。
彼の弟が自殺しているというのがその理由で、
誰にでも胸を張って紹介できる男を婿にほしいと、
なんと、イエントル目を付ける。


アヴィドールも、
イエントルとハダスの結婚に賛成し、
自分が女と言い出せないイエントル、
ハダスと結婚してしまう・・・。





なんだか、途中から、
テーマが変わってきてやしないか。


女なのに勉強意欲の強い主人公という設定だったから、
彼女が何かすごい研究でもして、
女の地位を上げてゆく物語かと思っていたら、
結局、愛だの恋だの、
そこかい!といった印象(笑)。
(いや、私は別に、愛だの恋だのが嫌いじゃないんで、
 イヤだというわけではないんだけど)


イエントルが勉強する場面は、
全体からすると、すんごく短い。
あとの殆どは、
アヴィドールに恋して悩む彼女と、
ハダスと結婚してしまって、
ベッドで困っている彼女の場面で(笑)。


そもそも、
ハダスの父親が、
娘の婿に、イエントルを選んだのも、
物凄く不自然。
アヴィドールは、弟が自殺したというだけで、
婚約解消させられるのに、
イエントルの身元は調べる事もしない。


彼女の事を調べれば、
それこそ、天地がひっくり返るくらいの事実があるというのに(笑)。


結婚を承諾するイエントルも変でしょう。
片思いの彼が深く愛する女を、
女だってのに、嫁に貰うかな。
アヴィドールの考えもよく分からない。
あんなにハダスを愛しているのに、
ハダスと親友が結婚するのを、
普通に見ているなんて。
私だったら、耐えられない。


この映画は、ストーリーなんて、
さして重要ではないのかもしれない。
なにせ、バーブラ・ストライザンドの歌声が素晴らしい。
ミュージカルといっても、
セリフが歌になっているのではなく、
バックでストライザンドの歌がかかるといった作り。


ストライザンドが、男のフリをして生活する場面は、
ちょっと楽しい。
池で一緒に泳ごうとアヴィドールから誘われた場面なんか、
ドキドキしちゃった(笑)。


今調べたら、
ストライザンドは、この映画で、
ラズベリー賞にノミネートされているのね。
「主演“男優”賞」で(笑)。


評価 ★★★☆☆

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コメント 2

su-nya

すっごく昔に、図書館でビデオを借りて見た覚えがあるけれど
おかしなストーリーだなぁ、というのと、
追憶、とかぶるバーブラの切ない表情と、
音楽だけしか印象に残っていませんでした~
こういうあらすじだったのね!もう一度見たくなりました(^O^)。
by su-nya (2013-01-17 06:05) 

青山実花

su-nyaさん
コメントありがとうございます。

なんだかホッとしました。
ネットを見ていても、
バーブラの歌を褒めている方はいても、
ストーリーに言及されている方があまりいなくて、
私が変なのかと、不安に思っていたのです。

やっぱり、ちょっと変わったお話しですよね。
同性愛でもないのに、
女性と結婚しちゃうなんて。

うろ覚えの映画を、もう一度観るのって楽しいですよね。
大人になったからこそ、
理解できる部分が出てくる事もありますし^^。

by 青山実花 (2013-01-17 23:23) 

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