「白鯨」 [映画]
〔1956年/アメリカ〕
海に憧れるリチャード・ベースハートは、
川を下り、港町に辿り着き、
捕鯨船の乗組員に雇われ、
出航する。
船長・グレゴリー・ペックは、
以前、白い鯨に片足を奪われ、
鯨の骨で作った義足を嵌めており、
復讐に燃えていた。
一頭の鯨を捕獲した乗組員たちは、
船上でそれを解体し、
鯨の体から取れる灯油を精製する。
さらに、鯨の大群を発見した彼らは、
その捕獲に励むが、
他の船から、
白い鯨を見たという情報を聞いたペックは、
捕鯨を途中で辞めさせ、
白い鯨探しを命令する。
一等航海士のレオ・ゲンは、
そんなペックの、
憑りつかれたような様子に苦言を呈すが、
もう、そんな言葉はペックの耳には入らない・・・。
悪い映画ではないんだけど、
うーん、やっぱり違和感。
現在、ヒステリックなまでに、
日本の捕鯨を批判してくる西洋の方々(ほんの一部でしょうが)にも、
こんな歴史があったんだと思わざるを得ない。
だって、この映画の中で、
彼らは、かなり残酷な方法で鯨を殺しているよ。
銛で散々突いたりして。
私は別に、それをどうこう言うつもりはない。
鯨を捕まえた彼らは、
船内でそれを解体し、
油を精製しながら、
「これで、何百という家に灯りがともる」と言う。
捕獲した動物の体を、
人間が、何らかの役に立てるのなら、
最小限の狩りは仕方がないと思う。
でも、グレゴリー・ペックはどうだ。
個人的恨みで、
白鯨を憎んで、
乗組員たちが、半分殺しかけた鯨を放っておいてまで、
白鯨を追いかけろって、
殺すより残酷じゃないか。
きっと映画公開当時に観ていたら、
その迫力に、「うわー」と思ったんだろうなぁ。
映画の感想は時代と共に変わってゆく。
主役が誰だかハッキリしないのも、
ちょっと物足りない。
まぁ、普通に考えてグレゴリー・ペックなんだろうけど、
それほど出番が多くない印象。
かと言って、
リチャード・ベースハートでもなく、
レオ・ゲンでもなく。
「いや、主役は白鯨さ」と言うのは、
陳腐すぎて、言いたくないけどね(笑)。
評価 ★★★☆☆
この映画、その昔TVの日曜洋画劇場で見ましたが、今ほど捕鯨が世間で騒がれてないせいなのか・・面白く観れた思い出があります。
エイハブ船長役のグレゴリー・ベック・・確か、最後の方で皆の前に姿を現すんですよね。
by ミスカラス (2013-01-07 22:42)
ミスカラスさん
コメントありがとうございます。
私もリアルタイムで観ていたら、
もっと好きなれた映画な気がします。
グレゴリー・ペックは、
普段は船室に籠っているし、
出てきたと思うとなんだか威張っているしで、
今一つでしたね。
白鯨と戦った後の彼が、
皆の前に姿を現す場面は壮絶でした。
by 青山実花 (2013-01-08 13:21)