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「私は死にたくない」 [映画]

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〔1958年/アメリカ〕


バーバラ・グレアム(スーザン・ヘイワード)は、
やさぐれた生活をする、30歳の女。


胡散臭い男とつるんでは、
怪しげな企てに乗り、
売春や偽証罪で逮捕されていた。


そんな彼女も、幸せになりたいという気持ちは強く、
バーテンダーと3度目の結婚をし、
可愛い男の子に恵まれ、生活は上手くいくかに思われた。


しかし、町で独居の老女が殺され、
逮捕された男たちが、
主犯はバーバラだと証言する所から、
彼女の人生は一変する。


事件の夜、バーバラは、
夫と激しい口論をしており、
夫はそのまま家を出て帰ってきてはいない。
それを証言してくれれば、
アリバイが成立するのだが、
夫は行方知れず。


彼女の前科や、仮釈放中の立場もあり、
陪審員の心証は最悪。
どんなに無実を訴えても、
その声は届かない・・・。





実在の女性死刑囚・バーバラ・グレアムの手記を元にした、
映画だそうだ。
スーザン・ヘイワードはこの映画で、主演女優賞を受賞したらしい。


途中までは、
「なんとかなるだろう」という思いで画面を観ていたけれど、
ラストが近くなるにつれ、
ドキドキが止まらなくなる。


バーバラは助かるのか。
無実を証明する新しい証拠でも出てくるのか。
夫が当日の事を思い出すのか。
全ては緊張の中にある。


バーバラが無実なのは、
観ているこちらには分かるし、
冤罪は絶対にあってはならない事だけれど、
事件前から、他人に後ろ指を指されるような生活を送ってきた彼女だから、
誤解されても仕方ない面もある。


浮浪罪はともかくとしても、
売春罪は、印象が悪いし、
なにより、逮捕時、偽証罪で保護観察中というのが痛い。
「偽証」=「嘘つき」という印象を世間に与えてしまっている彼女は、
どんなに声高に無罪を叫んでも、
誰も耳を貸そうとはしない。


彼女は、人を信じすぎる面もある。
誰かに美味い話を持ちかけられると、
つい、その話に乗ってしまう。
面会に来た男から、
「アリバイを作ってやるから罪を認めろ」と言われれば、
すぐ信じて、証言を録音されてしまうが、
その男は警察官だったという事もある。
(おそらく、現代では使ってはいけない手だろうとは思うが)
何より3度の結婚が、彼女のある種の人の好さを表しているといっていい。


死刑が決まった彼女は、
独房に入れられるが、
その際、
「私は結局、集団からはみ出てしまう」みたいな事を言う。
そのセリフこそ、彼女自身の人生を表しているように思える。


評価 ★★★☆☆

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su-nya

すごく見たくなりました。
パッケージのスーザン・ヘイワードの表情、やさぐれているという
表現ピッタリ☆
by su-nya (2012-12-13 02:29) 

青山実花

su-nyaさん
コメントありがとうございます。

女を表現する言葉は多数ありますが、
できれば死ぬまで、「やさぐれてる」とだけは
言われたくないものですね(笑)。

機会がありましたら、ぜひご覧になってみて下さいね。
by 青山実花 (2012-12-13 14:05) 

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