「十代の性典」 [映画]
〔1953年/日本〕
ラピュタ阿佐ヶ谷の現在のテーマは、
「教室群像 映画の中の『学び』の風景」
ある高校。
体育の授業を見学をしていた南田洋子は、
誰もいない教室で、
ふと、同級生の若尾文子の財布を盗んでしまう。
しかし、その行為を男子生徒に見られ、
さらに教師にもバレてしまう。
教師が財布を点検すると、
若尾宛ての名前のないラブレターが入っていたものだから、
騒ぎが大きくなる。
けれど、当の若尾は、
男の子より、上級生・沢村晶子に夢中。
手を繋いで下校するも、
実は沢村には大学生の恋人・長谷部健がいると知り、
大変なショックを受ける。
沢村は昔、見知らぬ男に乱暴された過去があり、
そのせいで、長谷部を愛していながらも、
彼を受け入れずにいた。
一方、1万円の入った封筒を拾った南田は、
自宅の電気代にも困る父の姿を見かねて、
その金で支払ってしまい、
罪の意識に苛まれる・・・。
ずっと観たかったのよ、この映画。
念願叶って、とても嬉しい。
これは若尾文子さんの出世作と言われているそうだけれど、
当時、このセンセーショナルなタイトルから、
若尾さんは「性典女優」などと揶揄されたそうで、
この映画に関する話題は、
長い間、タブーだったそうだ。
「続編」、「続々編」まで作られているようだから、
当時、いかに人気だったかが分かる。
若尾作品全制覇が夢の私だけど、
いつか、この2本の続編を観られる日が来るのだろうか。
来ますように。
とはいえ、内容はというと、
予想通りというか、
今観ると、まったく平凡で、
エロのエの字も感じられない(笑)。
沢村晶子に夢中の若尾さんは、
劇中何度も、「お姉さま~♪ お姉さま~♪」と彼女に呼びかけ、
自室は、彼女とのツーショット写真でいっぱい。
男の子なんてまるで眼中にない。
(勿体ないわ(笑))。
そういう女の子を、当時「S」と呼んだそうだ。
(シスターの略?)
同性に憧れる事もなくはないけれど、
今、あんなあからさまな女子がいたら、
人の目には、奇異にうつるだろうなぁと思うと可笑しい。
それから、
古い青春映画で必ず話題になるのが、
男女の、
「一線越えるか、越えないか」問題。
なんと学校の授業でまで、
「女子は結婚まで、貞操を守らねばなりません!」と
教えているではないか(笑)。
けれど、それが度々映画のテーマになるって事は、
逆に、それを守るのが、いかに難しいかって事が、
透けて見えるんだけどね(笑)。
評価 ★★★☆☆
中高男子校だったので頭の中はいつも女子”の事ばかりでいっぱいでしたが、或る時期同じクラスの子に恋心・・寄せた想い出が有ります。
一線は越えてませんが願望はあったかも・・
思いやりのあるとても優しい温和な子でした。
その年代独特の?感受性と、自分の存在価値を深く認めてくれているという事が重なり妙な恋心が芽生えたのでしょうか・・。
魚喃キリコ原作、市川実日子主演の映画「blue」の感覚かな~?
貞操?・・ 今は死語に・・。 <(_ _)> 夢の言葉。。
by 小太郎 (2012-11-19 16:14)
はじめまして♪
若尾文子さんの初期作品、私もとっても興味があります。なんとも言えない魅力の女優さんです!
S、今はどうかわかりませんが私が女子高に通っていた20数年前には、まだまだありました。宝塚な世界。
スポーツが得意だったり、いまでいう「男前」キャラだったり、演劇部の男役だったりする上級生にバレンタインチョコをあげるとか、付け文を渡すとか横行していました♪
恋い焦がれる対象が
かっこいい同性の人か、かっこ悪い先生か、選択肢が狭かったからしかたないですね~
映画の話からそれてしまいましたが。私は今育児に専念中で大好きな映画から離れてしまっていますが(;_;)こちらで色々面白いお話を読ませていただきたいと思います♪インデックス化されているのがありがたいです☆
外国のものでは、たしか若き頃のウォーレン・ベイティ出演の
「若草の萌える頃」がありましたね~
今は一線を越えるのが簡単すぎてこんな映画の青春の苦悩というメインテーマ自体成立しませんね~(*_*)
by su-nya (2012-11-20 03:55)
小太郎さん
コメントありがとうございます。
やはり感受性の強いある時期には、
そういった感情が芽生える事があるのでしょうか。
一線を越える願望があったということは、
淡い思い以上のお気持ちだったのでしょうね。
自分の存在を深く認めてくれる相手は、
いくつになってもありがたいものですね。
特に思春期にはとても大切だと思います。
「blue」は未見です。
今度観てみます。
貞操は死語ですね(笑)。
でも、好きな人と結ばれることは、
とても自然な事だと思います。
あんまり守りすぎても、若い時代が勿体ないと
すぐ思ってしまいます。(笑)。
by 青山実花 (2012-11-20 14:58)
su-nyaさん
コメントありがとうございます。
私も若尾さんの映画がとても好きです♪
特に、「女」を全面に出した作品が好きです。
「雁の寺」や「妻は告白する」など。
自分に色気が無いので、憧れる気持ちがあるのでしょうか(笑)。
なるほど、宝塚に例えると分かり易いですね。
その辺の男の子よりずっと、男らしいというか、
女が「こうあってほしい」という男性を体現しているのでしょうね。
私は共学以外行ったこと事がないので、
ちょっと不思議な世界ではありますが、
女子高って、映画「櫻の園」みたいな感じなのでしょうか。
ウォーレン・ベイティの一線越えるか問題の映画は、
「草原の輝き」だと記憶しています^^
一線のハードルが大変に高い映画でしたね。
ちょっとショックでした。
ああいう時代もあったのですね。
今は様々なメディアがありますので、
育児が終わられてからでも、
映画は観られると思います。
こんな拙いブログですが、
読んでいただけたら嬉しいです。
私もお邪魔させていただきますね。
これからも宜しくお願いします。
by 青山実花 (2012-11-20 14:58)
青山実花さんへ
私も自分に色気がないのでいわゆるムンムンな人ではなく
こういうオーラのような独特の色っぽさ、艶っぽさのある女優さんには
憧れます♪
「櫻の園」はずっと見そびれているので似ているのかどうかわかりません(*_*)がいつか確認したいと思います。
映画名、まったく似て非なるものを言ってましたね((+_+))お恥ずかしい。(「草」しか共通していない!)
今は小学生で初体験する子もいるとかいないとか…ちょっとビックリです。もっと子供でいられる時を存分に楽しんでほしいなぁとわが子にはあまりおませさんにならないで…と思ってしまいます。
観たい映画メモは増殖する一方(読みたい本もですが)。
しばらくはこちらで「観たつもり」だけで楽しみたいと思います!
ありがとう、そしてよろしくです☆
by su-nya (2012-11-22 04:00)
su-nyaさん
コメントありがとうございます。
そうなんですよね、
オーラがあって、そして体型も、
今の流行から比べると、むっちりしていて中身が詰まっているというか。
若尾さんとよく競演されていた、京マチ子さんも大好きです。
映画のタイトル、全然お気になさらなくて大丈夫ですよ^^
私も、そんな事はしょっちゅうですので(笑)。
小学生で初体験はちょっと早すぎですね。
果実も青いうちは美味しくないでしょうに。
早すぎても、守りすぎてもやっかいですねぇ。
適度が一番です。
観たい映画は、汲めども尽きぬ泉のよう湧き出てきますね。
長生き願望は全く無いのですが、
映画に関してだけは、人生の時間が足りないと思ってしまいます^^
by 青山実花 (2012-11-22 13:53)