「砂漠は生きている」

〔1953年/アメリカ〕


ディズニーが制作したという、
ドキュメンタリー映画という事なのだけれど、


なんて面白いんだろう。
全編、動物や植物の動きにピッタリとマッチする
音楽が付けられていて、
まるで自然がショーを演じているみたい。


まだ自然保護といった概念が無かった時代の映像のせいか、
まったく呑気に観る事ができる。
「この種は、絶滅の危機にある」みたいなナレーションは、
一つも無い。


「砂漠」と聞いて、
私の頭の中には、
360度見渡す限り、砂しかないような場所が浮かんでいたのだけれど、
これはアメリカ西部の砂漠を撮影したもので、
西部劇の舞台になるような場所を想像した方が早かった。


様々な動物がいる。
ネズミもガマガエルもスカンクも鳥も。
蛇やサソリやタランチュラも。
それら動物たちの、
弱肉強食の世界が撮られているのだけれど、
弱いものが必ずしも負けるとは限らず、
時に撃退したり、
時に戦ったり、
自然の面白さを堪能できる。


動物が主な映像だけれど、
終わり近くになると、
大雨が原因で起こる、
大洪水が見られ、
その迫力に圧倒される。


そして洪水が去ったあと、
チャンスとばかりに芽を出し、
咲き乱れる花たちの美しさったら。


そして、その植物を食料とする小動物がいて、
自然は回ってゆく。


ラスト、
「こうして砂漠は永遠に生き続けてゆくのです」みたいな
ナレーションがつくのだけれど、
そう聞くと、
「もう、自然を、“永遠に大丈夫”と思う事はないんだろうなぁ」と、
そんな風に考えてしまう自分が、
ちょっと悲しかった。


評価　★★★★☆

コメント 4

こういうドキュメンタリー好きなんです。
「アース」とかではホッキョクグマが絶滅の危機とかってありましたけど。
砂漠は・・・砂漠はどんどん広がっているからそっちのほうがやばいですよね＾＾；1953年っていうとちょっと昔ですから今の生態系も気にはなりますよね。
by 原みつる (2012-10-28 18:57) 

原みつるさん
コメントありがとうございます。

自然を扱ったドキュメンタリーは、面白いですね。
「どうやって撮影したんだろう」というくらい、
凄い映像もありますし。

現在のアメリカの砂漠の現状はどうなのでしょうね。
やはり生き物の数は種類は減っているのでしょうか。
同じ場所をもう一度撮影したら、
面白いかもしれませんね。

by 青山実花 (2012-10-29 23:46) 

この作品大好きです。
ほんと音楽のつけ方が絶妙で、楽しいですよね。
こわいイメージのサソリもかわいく見えます♪

続編のような「滅びゆく大平原」という映画がありますが、
（こちらはDVDになっていない？ようですね。かなり前に一度観た
　だけなのですが、私は「砂漠は生きている」の方がより好きでした）
この年代あたりから、自然保護の意識が強くなっていくのでしょうか。
by yonta* (2012-11-10 07:33) 

yonta*さん
コメントありがとうございます。

以前、yonta*さんがコメント欄でこの映画を
ご紹介くださったので、観る事ができました。
ありがとうございます。

本当に、音楽が素晴らしいですね。
ディズニーってやっぱり凄いんですね。

「滅びゆく大平原」、検索してみましたが、
ビデオにさえなっていないのでしょうか。
うーん、余計に気になります(笑)。
どこかで観られれば良いのですが・・・。
本当に、タイトルからも、自然保護の匂いが感じられますね。

by 青山実花 (2012-11-10 23:08)