「最強のふたり」 [映画]
〔2011年/フランス〕
大富豪だが、首から下が麻痺して動かないフランソワ・クリュゼ。
今日は彼の介護人を選ぶ面接の日だ。
集まった数人の応募者たちが、
もっともらしい事を言う中、
1人の黒人男・オマール・シーだけが、
「不採用にしてくれ。失業保険が入る」とのたまう。
そんなシーを採用したクリュゼ。
早速クリュゼの家に引っ越してきたシーは、
与えられた個室を見て驚く。
今まで見た事もないような広さと調度品。
その日から、クリュゼとシーの交流が始まる。
生れも育ちも趣味も生き方も、
全てが正反対だが、
何故か気が合う2人。
シーは思った事を全て口に出し、
クリュゼの障害さえもジョークに変えてしまう。
親戚の者から、シーの前科を聞かされたクリュゼだが、
そんな事でシーを嫌ったりはしない。
シーは、最高の友人であり、介護者であり、
過去なんてもう、どうでもいい事なのだ。
しかし、シーはシーで、
家庭に問題を抱えていた。
それを知ったクリュゼは・・・。
富豪の障害者と、スラムの黒人の交流と聞いて、
何か、教訓めいたメッセージでもあるのかと思ったけれど、
そんな説教臭さなど皆無の、
愉快なお話で楽しめた。
出だしから痛快。
クリュゼとシーの乗った車が暴走して、
警察に追いかけられるのだけれど、
その時の言い逃れに劇場内は笑いの渦。
その時シーがカーステレオで、
大音響でかける曲が
アース・ウィンド&ファイアーの「セプテンバー」。
今の季節にピッタリで、ものすごく気持ちいい。
狙ってそうなったのか、偶然なのかは分からないけれど。
シーのスラムの家と、
クリュゼの豪邸の対比が可笑しい。
特にお風呂。
シーは、大家族がひしめく狭い家で暮らしていて、
風呂に入るのも一騒動なのだが、
クリュゼからあてがわれた個室には風呂が付いており、
それがもう、ここで暮らしてもいいと思うくらい広い(笑)。
とにかく、一つ一つのエピソードに無駄がなく、
どの場面も可笑しい。
小さな場面だけれど、
「面接に来た証拠にサインをくれ。
面接を3回受けると、就職活動した事になる」と言うシーのセリフに、
「フランスでは、失業保険はポイント制なのか?」と
突っ込みたくなったよ(笑)。
クリュゼの15歳の養女が、
いささか躾に欠ける所があり、
シーはそれをハッキリと指摘する。
秘書はそれを思っても言えなかった節があり、
シーの意見に同調する。
耳の痛い事でも、言ってもらわなければ、
気付かない事ってあるものね。
シーのように嫌味なくそれを言ってくれる人って、
とても貴重。
その秘書の女性が大変にいい。
(名前が分からない。ごめんなさい)
美しくはないけれど、
なんだかとても気持ちのいい人だった。
クリュゼの障害は確かに大変だけれど、
シーだって、家族に色々な物を抱えている。
幸せが何かなんて、誰にも決められない。
評価 ★★★★☆
僕も秘書の人、好きです!
ああいう感じの人、いますよね〜。
by のむら (2012-09-08 00:25)
のむらさん
コメントありがとうございます。
本当にあの女性は素敵でしたね!
女性の美しさは見た目だけではないのだと、
ああいう方を見ると思います。
by 青山実花 (2012-09-08 01:14)
映画案内でやってて見たいなと思いました。
たしか実話で本人たちも出てたような。
最新の映画、どんどん見られてますね。
ほんとに映画好きですね^^
by don (2012-09-08 14:25)
donさん
コメントありがとうございます。
そうなんですよね、
実話だそうで、ラスト、現在の2人の状況がテロップで流れる
作りになっています。
映画、大好きです♪
過去に行ったり、未来に行ったり、
外国に行ったり、宇宙に行ったり、
恋愛したり、戦ったり、何でも有りですから(笑)。
donさんこそ沢山の本を読んでいらして、
素晴らしいと思います。
by 青山実花 (2012-09-09 00:18)
フランスでも大ヒットだったそうですね。
公開が楽しみでしたが、先週結局行けなくて・・
近いうちに観に行きたいと思います。
やっぱり、とても楽しめそうですね(^^)♪
by yonta* (2012-09-09 02:07)
yonta*さん
コメントありがとうございます。
障害者を扱いながらも、
とても明るく、笑える作りになっているのが、
フランスでも、その他の国でも受け入れられるのでしょうね。
障害があるからって、
笑ったっていいじゃないかって感じで(笑)。
どうぞご覧になってみて下さいね。
音楽に乗れる場面もあったりして、楽しいです。
by 青山実花 (2012-09-09 22:12)
ずっと気になっていて、観たいんですがタイミングが合いません…(>_<)
この記事を読んでやっぱり観るべし!と感じました~
by su-nya (2012-11-27 20:08)
su-nyaさん
コメントありがとうございます。
「誰からも好かれる人」という人がいますが、
この映画は、「誰からも好かれる映画」と言っても、
言い過ぎではない気がします^^
映画って、タイミングなんですよね。
連続して劇場で観られる時もあれば、
時間が合わずに、劇場から遠ざかってしまう時もあります。
ただ、今の時代、劇場に拘る必要は全くないと私は思います。
いつか、お時間が取れた時に、
どんな媒体でも良いので、ご覧になってみて下さいね。
by 青山実花 (2012-11-28 00:25)