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「萌の朱雀」 [映画]

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〔1997年/日本〕


奈良県吉野村。
過疎化が進むこの村で暮らす家族。
主の田原孝三(國村隼)は、村に鉄道を通す為の、
トンネル堀の仕事をしている。


他に、妻・泰代(神村泰代)と幼い娘・みちる、母親・幸子、
そして、孝三の姉が置いていった中学生の息子・栄介の5人家族。


15年後、みちる(尾野真千子)は高校生になり、
栄介(柴田幸太郎)は旅館で働き、家計を助けるようになっていた。
みちるは栄介に密かな思いを寄せているが、
栄介は、泰代が気になるようで、
みちるは何となく面白くない。


泰代は栄介と同じ旅館で働くようになるが、
過労で倒れてしまう。
そんな中、鉄道の引く話が頓挫し、
意気消沈する孝三。
彼はある日、姿を消し、
警察から、孝三らしき男の遺体が発見されたとの
連絡が入る。


夫を失った泰代は、
実家に帰る決心をする。
栄介と離れたくないみちるは、
家に残ると宣言するが、
最終的に、母と一緒に出て行く事を決める・・・。





観終わって、
ネットで色々調べていたら、
自分がこの映画と「殯の森」を勘違いしている事に気が付いた。
「これがカンヌ映画祭でグランプリを取った作品かぁ」と
ずっと思いながら観ちゃったよ(笑)。
失敗だったとまでは思わないけど。


映像は、まるで中国みたい。
出演者たちが中国語を話していたら、
それはそれで納得しそう。
日本でも、あのような山の中で暮らしている人がいるんだなぁと、
分かってはいても、中々実感できない事を、
映像で見せてもらった感じ。


セリフが少なくて、
演じている一部の方が、
素人っぽいから、
ちょっとドキュメンタリーみたいな感じもする。


それから、これは全くの個人的好みの問題だけれど、
従兄妹同士とはいえ、
同居している者が、
思いを寄せるって設定が、
あんまり好きじゃないかな。
なんだか生々しい。


ラスト、誰に感情移入するかで、
感想が全く変わってくる。


泰代の気持ちになれば、
姑と同居の婚家から出て、
実家に帰れる開放感でいっぱいだろうなと
想像できる。


けれど、幸子の気持ちはどうだろう。
息子に死なれ、
生まれた時から一緒にいた孫のみちるも出てゆく。
その淋しさは、想像を絶する。
時は流れ、
人は常に変化し続けている。
仕方ないといえば、それしか言えないけれど、
淋しさは理屈ではないもの。


評価 ★★★☆☆

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