「学生ロマンス 若き日」 [映画]
〔1929年/日本〕
下宿屋の外壁に貼られた、
“貸し間あります”の紙。
それを見て入ってきた男に、
「すみません、決まっちゃったもので」と言って、
追い返す、結城一朗。
何度も同じ事を繰り返す結城。
何人目かで、可愛い女子大生・松井潤子がやって来た途端、
「どうぞどうぞ、僕は明日引っ越しますので」と、
調子よく言う。
どうやら、女の子が来るのを待っていたようだ。
翌日、下宿を出た結城は、
友人・斎藤達雄の下宿に転がり込む。
2人は早稲田大学の学生。
揃って成績が悪く、
勉強にはあまり関心がない様子。
彼らは、松井が赤倉にスキーに行く事を知り、
自分たちも何とか金を作り、
赤倉に赴く・・・。
小津安二郎監督作品の中で、
現存する一番古いフィルムが本作だそうだ。
完全なサイレント映画で、音楽もない。
とにかくひたすら観る。
視覚だけが頼りなので、
少しでも目を離すと、話が分からなくなりそうだ。
1920年代の世の中は、なんて呑気だったんだろうと思う。
結城一朗は松井潤子に下宿を明け渡した翌日以降も、
「忘れ物をした」とか何とか言って、
松井の部屋に上がり込む。
部屋と言っても、鍵の掛かるドアがあるわけではなく、
襖一枚のみ。
危ないったらありゃしない(笑)。
今の世の中だったら考えられない。
誰も、悪い事なんて考えていなかったのだろうか。
当時の街の風景も楽しめる。
看板に書いてある文字などから、
どんな物が売られていたのかが窺えて、
興味深い。
スキー場での様子は、
まるでコントのようだ。
スキーの出来ない斎藤達雄が、
とっても鈍臭い。
ちょっと笑える。
観終わってから調べてみたら、
1927年のアメリカ映画、「第七天国」を観ておいた方が、
より楽しめる事を知った。
いつか観てみたい。
評価 ★★★☆☆
小津さんのサイレントって、わりと観ているはずなのですが、
内容をちゃんと憶えていなくて・・^_^;
斎藤達雄さんは、あんな顔してコミカルな演技が上手だった
のですね。
小津監督の、サイレント時代の学生モノ、多い気がします。
弟さんにも大学へ行くように、すすめていたとか。
親友を40回くらいバシバシ叩き続ける作品があったと思うのですが、
タイトルを忘れてしまいました(笑)。
笠智衆さんの学ラン姿が見られる作品も・・
観返したいのですが、あまりレンタルにないようで残念です。
by yonta* (2012-06-30 12:10)
yonta*さん
コメントありがとうございます。
小津監督のサイレント映画を割と観られているなんて、
とっても羨ましいです。
映画は時間が経つと、細部は忘れてしまいますよね。
まして、サイレントだと、目だけが頼りで(笑)。
>親友を40回くらいバシバシ叩き続ける作品
面白そうなので、
キーワードを入れて、検索してみたのですが、
分かりませんでした。
何かひょんな事で分かりましたら、お知らせしますね。
この映画にも笠さんが出ているようです。
ただ、フィルムが古いのと、
その他大勢の役だったらしく、
見つけられませんでした(笑)。
笠さんって、本当にずいぶん前から映画に出ているんですよね。
もっともっと古い映画をDVDでレンタルすればいいのにと、
いつも思います。
埋もれている作品があるなんて、
勿体ないですよね。
by 青山実花 (2012-07-01 01:16)
わかりました(^^ゞ
「青春の夢いまいづこ」です(多分・・ですが)。
小津作品にしては暴力的、みたいな書かれ方をしていたので(笑)。
ケガをしそうな、殴る、ではなく、叩いてる感じだったと思うんです。
あまりに立て続けだったもので、何回叩いたのか、
巻き戻して数えてしまいました。
ただ、数もうろ覚えです・・いつかまた観られるといいのですが。
by yonta* (2012-07-02 23:12)
yonta*さん
コメントありがとうございます。
思い出してくださったのですね。
ありがとうございます。
とっても嬉しいです。
私もネットで検索してみました。
本当に、小津監督にしては、
激しいシーンが見られると書かれてありますね。
yonta*さん、数えられましたか(笑)。
立て続けのものを数えたくなるって、
人間の本能なのでしょうか。
(関係ないですけれど、ビートルズの「ヘイ・ジュード」とかも(笑))。
ビデオテープはあるようですので、
探して観てみたいと思います。
本当にありがとうございました。
by 青山実花 (2012-07-04 00:00)