「私が、生きる肌」 [映画]
〔2011年・スペイン〕
人工皮膚開発の権威・ロベル・レガル(アントニオ・バンデラス)は、
美しい女・ベラ(エレナ・アナヤ)を、
自宅の豪邸に監禁している。
12年前、ロベルの妻は、
炎上する車の中から助けられたが、
全身に火傷を負い、
そのショックから非業の死を遂げていた。
以来、ロベルは、「完璧な肌」を作り出す為の執念に燃え、
その為に、ベラを誘拐し、
彼女を人体実験の被験者にしているのだ。
ベラの身の回りの世話する、
初老の家政婦・マリリア(マリサ・パレデス)に、
ある日、彼女の息子・セカ(ロベルト・アラモ)が訪ねてくる。
野卑な悪党のセカは、
ベラの姿をみて驚愕する。
ベラの容姿が、ロベルの妻にソックリだったのだ。
話は過去へと遡り、
ベラが屋敷に監禁される経緯が明らかになってゆく・・・。
やっぱり一筋縄ではいかなかった、
ペドロ・アルモドバル監督。
原作があるというから、
ストーリーそのものは、
監督の発案ではないのかもしれないけれど、
その驚きの展開の見せ方が上手く、
途中までは、普通に観ていたのだけれど、
中盤から明らかになる驚愕の事実に仰け反ってしまう。
「トーク・トゥ・ハー」でも感じた事だけれど、
「倫理的に、それは絶対駄目でしょ」と思われるテーマを扱うのが、
この監督はめっちゃ上手い。
だって、普通の発想では有り得ない。
詳しくは書けないのだけれど。
アントニオ・バンデラスがいい感じ。
今までは、フェロモン男というイメージが強かったけど、
ちゃんと、世界的権威のある医者に見える。
さらに裏の顔は、変態という、
そんな面も、ちゃんと演じている。
結構好きな俳優さんだから、
上手く年を重ねられて、
私も嬉しい(笑)。
観終わった後、
何か考えさせられるとか、
私の人生に少しでも影響があったとか、
そんな事が一つもないのもいい(褒め言葉です)。
描き方によっては、
単なる変態ドクターの偏執狂日記みたいな内容を、
B級感を感じさせずに描いてあるのが凄い。
評価 ★★★★☆
とても娯楽作でしたよね〜!ホントに楽しかったです〜。
こんな映画ですが。ラブストーリーだったのか、ときかれたら。
たしかにラブストーリーだった、と思えるところもステキです。
by のむら (2012-06-19 23:41)
のむらさん
コメントありがとうございます。
本当に、ペドロ・アルモドバル監督は、
倒錯したラブストーリーを描くのが上手いですね。
バンデラスも、よく応えていたと思います。
劇場で観て良かったです。
ラスト、ベラのお母さんはひっくり返った事でしょうね。
by 青山実花 (2012-06-20 21:25)
観終わった後、とても考えさせられて、人生にも影響を受けそうな
ダークでねじれた愛の話・・かな、
と想像していたのですが、そこまでハードル高くなさそう。
と考えていいのでしょうか(笑)。
でも、青山さんの感想を拝見して、ちょっとほっとしました。
バンデラスが、世界的権威のある医者に見える、というのも、
なんていうか、正直意外で・・(失礼)。
「トーク・トゥ・ハー」も未見なので、観たくなりました(^^)
by yonta* (2012-06-20 23:46)
yonta*さん
コメントありがとうございます。
なんと言いましょうか、
あまりにも、自分の中に無い倫理観なので、
影響を受けようがないといった感じなのです。
ダークでねじれた愛というのは、まさしくその通りなのですが。
おそらく、真っ当なお考えの持ち主であろうyonta*さんも
驚かれるのではないかと思います。
バンちゃん(勝手にそう呼んでいます(笑))は
良かったです。
医者より、変態の方の演技が上手いという説もありますが(笑)。
それから、いつかいつか、
「トーク・トゥ・ハー」をご覧になられましたら、
yonta*さんの本音のご感想を聞いてみたいです。
わたし的には「これって有りなの?」といった感じなのですが、
yonta*さんはどう感じられるのか。
是でも非でも、どちらでも構いませんので、
いつか。
by 青山実花 (2012-06-21 15:34)