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「力道山」 [映画]

rikidozan.jpg
〔2004年/日本・韓国〕


あるナイトクラブ。
トイレから出てきた体の大きな男。
彼は腹をナイフで刺されていた。
それは、日本人なら知らない者はいない国民的大スター・力道山だった。


戦前。
東京のある相撲部屋。
朝鮮半島出身の力道山(ソル・ギョング)は、
先輩力士たちから、
毎日、激しいいじめを受けていた。
彼を罵る時の言葉は、
「朝鮮人」「国に帰れ」であり、
しかし、彼は耐え忍ぶ。


土俵上で頭角を現した力道山であったが、
そこでもやはり朝鮮出身がネックになり、
番付が上がらない。
力道山は、相撲に見切りをつけ、
プロレスに活路を見出す。


そんな力道山を支えたのが、
芸子の綾(中谷美紀)だった。
彼は、格闘技界の実力者・菅野武雄(藤竜也)に頼み込み、
綾を妻にする。


プロレスラーとなった力道山は、
その実力からスターへの階段を昇り始める・・・。





テレビ創世記の映像を観ていると、
必ずと言っていいくらい登場する力道山。
日本人がどれほど彼に熱狂していたのか、
知識としては知っていたけれど、
力道山という人の人生を、
こういった形で見たのは初めてだ。


力道山を演じるのが、
韓国人俳優・ソル・ギョングという事で、
韓国マンセー(もしくは虐げられる可哀相な韓国人)的な内容だったら
嫌だなと思っていたが、
そうでもなかった。
もちろん酷いイジメのシーンはあるが、
まぁ、想定の範囲内。
(と私は思うが、韓国の方が観たらどう思われるかは分からない)。


ソル・ギョングは、
この映画の為に30キロも体重を増やし、
また、吹き替えなしの日本語で話している。
多少、韓国訛りではあるが、
その努力は大変なものだったと想像する。


けれど、観終わって、ウィキペディアで、
力道山本人について調べてみたら、
映画とはずいぶん違うようだ。


特に、ジャイアント馬場さんの、
彼に対する評価が凄い。
(念の為、引用)
 ↓
『ジャイアント馬場:「(力道山は)人間として何一つ良いところの無い人でした」』


驚くほど全否定。
本当に馬場さんはこんな事を言ったのだろうか。


なんだかよく分からなくなってきた。
馬場さんの言っている事が事実なら、
もっともっと大げさなくらい、
破天荒で嫌な男としての力道山を、描いてほしかった。


評価 ★★★☆☆

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コメント 6

いっぷく

相撲部屋の「かわいがり」シーン。
見たときは韓国人の被害妄想映画かと思いましたが、
その後、時津風部屋事件があり、
かならずしもそうとはいえないなあと思いました。
まあ、あれは朝鮮人だからということではなく
日本人力士でもやられることなので、「差別」という
視点で描くのはいずれにしても正確ではないと思いますが。

馬場が力道山をよく言わないのは、
力道山が馬場が稼いだ外貨を外国人招聘に使い込んだからでしょう。
馬場は結局その金を、次の次の社長である芳の里から返してもらっていますが
馬場が金銭にシビアになったのは、それが背景にあると思います。

by いっぷく (2012-06-14 05:53) 

坊や

リアルタイムで白黒画面のプロレス観てました。 ぼんやり記憶の一部に
残ってるだけですけど・・。 半端なく豪快な人らしかったですね。
僕はなぜか勝新太郎と重なるのです。
by 坊や (2012-06-14 10:15) 

青山実花

いっぷくさん
コメントありがとうございます。

丁寧なご説明、ありがとうございます。

私も「かわいがり」の場面は、
時津風部屋事件が頭の片隅にあった為、
特に差別とは思いませんでした。
国籍に関係なく、新人は苛められるという不文律が
相撲部屋にはあるようですので。
先輩力士が力道山を苛めるとき「朝鮮人」と言ったのは、
相手を貶める言葉なら何でも良かったのでしょうね。

そうなんですか。
金銭問題が絡んでいるとは知りませんでした。
格闘技会にも、色々な裏話があるのですね。
調べたら、面白そうな(?)話が沢山出てきそう。

by 青山実花 (2012-06-14 15:08) 

青山実花

坊やさん
コメントありがとうございます。

リアルタイムで力道山を見られていたなら、
日本中の熱狂ぶりも、
肌で感じられていた事でしょうね。

勝新太郎さんとは、破天荒なところが重なるのでしょうか。
どちらも昭和の大スターですね。
by 青山実花 (2012-06-14 15:11) 

don

韓国映画でこんなのがあったんですね。
ジャイアント馬場は、類まれな読書家だったそうです。

よくあるスポーツエリートの脳みそ筋肉系の人の発言では
ないので、馬場からしたらほんとの話なのでしょう。
的を得てると思います。
by don (2012-06-16 14:57) 

青山実花

donさん
コメントありがとうございます。

日韓合作の映画なので、
内容がどっちつかずの、中途半端だという批評も多いようです。

馬場さんが大変な読書家というのは知っています。
馬場さんには悪い印象がないので、
彼がそう言うなら、と私も思ってしまいました。
ウィキペディアを鵜呑みにするわけではありませんが、
他にも、あまり良くない人物評が書かれていますね。

by 青山実花 (2012-06-16 21:46) 

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