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「神々の深き欲望」 [映画]

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〔1968年/日本〕


日本の南方に位置する、くらげ島。
そこは、古い因習が支配する、
文明から取り残されたような島であり、
人々は、日々、神に対する畏敬を忘れない。


20年前、
島は大きな津波に見舞われ、
その後、忽然と巨岩が現れた事に驚いた島民は、
その原因を、
島の長老・太山盛(嵐寛寿郎)の長男・太根吉(三國連太郎)が、
実妹・太ウマ(松井康子)と関係したせいで、
神の怒りに触れたと噂する。


根吉とウマの間には、トリ子(沖山秀子)という娘が生まれていたが、
彼女は知恵遅れであった。


島の長・竜立元(加藤嘉)は、
根吉を鎖で繋ぎ、
巨岩を穴に埋める作業を命じ、
自分はウマを引き取り、妾にしている。
以来、20年も根吉は穴掘り作業をしている。


そんな島に、東京から製糖会社の技師・刈谷(北村和夫)がやって来る。
井戸を掘ろうとする刈谷に、
ことごとく邪魔をする島民。
しかし刈谷はいつしかトリ子と関係し、
島の魅力に取り憑かれてしまう・・・。





今村昌平が初めて撮ったカラー作品だそうだ。


このような島の暮らしをした事もなく、
行った事もない私にとって、
一番印象的だったのは、
東京から来た技師の刈谷が、島にがんじがらめにされるが如く、
ヘロヘロな人間になってしまう所。


彼は出てきた時、大変な仕事人間だった。
島を案内しようとする人の話を遮ってまで、
井戸探しに躍起になっていた。


しかし、トリ子と関係した直後から、
人が変わったようになってしまう。
仕事を放り出し、
何と書いたらいいのか、
体がバターのように、とろけ出してしまったような感じ。


この映画の表現が凄いのか、
どこの南の島でも、
少なからず、このような神がかった魅力があるのか、
それは私には分からないのだけれど。


実の妹と関係する兄、
そして、2人の間に生まれた子という設定に混乱する。
何度も頭の中で確認しながら観ないと、
分からなくなる。


根吉には弟(河原崎長一郎)がいる。
島民の中では、比較的、迷信に囚われていない人間だ。
彼は東京に行く事を夢見ており、
刈谷に気に入られようと必死になる。
しかし、刈谷に木を伐採しろと言われた時、
「島の木は神のもの」と畏れ、
どうしても伐る事ができない。


やっぱり体に染みついた因習からは、
どうしても抜け出せないのだと思った瞬間。


評価 ★★★☆☆

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