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「永すぎた春」 [映画]

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〔1957年/日本〕


川口浩と若尾文子は、仲のいい恋人同士。
早く結婚したいが、
川口が学生の為、卒業を待ってという事で、
話が決まる。


川口と若尾は、まだ一線を越えておらず、
しかし、川口は、
それは結婚してからと決めていた。


ところが、川口はデザイナー・角梨枝子から誘惑される。
なんとか堪えてはいたが、
ついに角のマンションに誘われる。
行けば、何事かが起こるのは必至。
川口はマンションに行ってしまうが、
彼の親友が若尾を連れて乗り込んできた事から、
危うく難(?)を逃れる。


さらに別の事件が起こる。
ある中年女が、
嫉妬と金の為に、
若尾に気がある川崎敬三と彼女を、
旅館で引き合わせようとしたのだ。
しかし寸での所で、逃げ出す若尾。


川口と若尾に次々襲いかかる試練(というほどでもないが(笑))。
2人は無事結婚できるのか・・・。





三島由紀夫の同名小説の映画化。


今じゃ考えられない内容(笑)。
あれほど仲の良い恋人同士が、
一線を越えておらず、
その事で悩むなんて。


けれど、浩様は特に性欲でギラギラしているわけではない。
学友から、2人の関係について聞かれた時も、
「僕は結婚まではしないつもりだ」とキッパリ答える。
浩様ったら、男らしくて可愛いわ(笑)。


若尾さんの方から、浩様に
「私たち、結婚前に“結婚”してもいいのよ」と言う場面もある。
けれど浩様はそうはしない。
どこまでも禁欲的。
やっぱり考えられない(笑)。


この映画とは関係ないけれど、
一線越えるか越えないかという作品を観るとと、
いつも、ウォーレン・ベイティとナタリー・ウッドの、
「草原の輝き」を思い出す。
その事で、2人はその後の人生まで変えてしまっていたっけ。
あちらは1961年。
アメリかも日本も、そういうモラルの中で、
若者は葛藤していたのね。


もちろん、この映画は、
「草原~」のように、重くも暗くもないんだけど。


浩様が可愛い。
若尾さんも、まだ清らかな娘を演じている。
ただ、いつも書くけれど、
2人の印象から、どうしても若尾さんが
年上に見えるんだな。
若尾さんの役を、浩様の奥様の野添ひとみさんが
演じていたらどうだっただろう。
コミカル過ぎかな。


DVDに収録されていた予告編を観ていたら、
三島由紀夫が、浩様やその他の出演者たちと、
談笑している画像があった。
何だか珍しくて、巻き戻して見直しちゃった。
三島の自決を、
浩様たちは、どのような気持ちで受け止めていたのだろう。


評価 ★★★☆☆

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コメント 2

レモン

ほんと、今じゃ考えられない内容ですね~(爆)
by レモン (2012-05-07 07:55) 

青山実花

レモンさん
コメントありがとうございます。

そうなんです。
2人は畳の上で横になってキスまでしてるのに、
それ以上はいかないという(笑)。
当時と今の、全く違うモラルを見せ付けられた気がしました(笑)。
by 青山実花 (2012-05-07 13:41) 

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