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「ロボジー」 [映画]

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〔2012/日本〕


五十嵐信次郎、73歳。
妻を亡くした独居老人。
偏屈で頑固な彼は、
帰省してきた娘・和久井映見一家を愛しながらも、
優しい言葉がかけられない、ちょっと困ったお爺さん。


場面は変わり、
ある家電メーカーに勤務する3人の冴えない男、
濱田岳、川合正悟、川島潤哉。
彼らは社長から、二足歩行のロボットの開発を命じられ、
困り果てていた。
ロボット博覧会に出せるような物を作る事が
どうしても出来ないのだ。


博覧会までにもう日にちがない。
切羽詰った彼らは、
ロボットの中に人間を入れ、
何とか博覧会の1日を乗り切ればいいと考え、
中に入ってくれる人を募集し、オーディションする事を決める。


そのオーディションに五十嵐が応募してくる。
若者ばかりの中で、彼は目立った存在で、
濱田たちは、最初は相手にしていなかったが、
適当な人材がおらず、
消去法で五十嵐が選ばれる。


博覧会当日、“ニュー潮風”と名付けられたロボットに入った五十嵐は、
一通りのパフォーマンスをこなし、
ショーは無事終わるかに思えたが、
事故により、倒れてきた太い柱から、
女子大生・吉高由里子を咄嗟に救った事から、
翌日のワイドショーでその模様が取り上げられ、大反響。
“ニュー潮風”は国民的人気者になってしまう・・・。





まず、五十嵐信次郎の芸達者ぶりに驚いた。
五十嵐信次郎とだけ聞いた時は、
誰の事だか分からなかったが、
ミッキー・カーチスの別名だ。


ミッキー・カーチスは名前だけは知っている。
過去の事は知らないのでイメージだけだが、
カッコつけたおじさんだとずっと思っていた。
ところがである。
淋しい一人暮らしの老人役が本当にハマっていたし、
コミカルが動きも物凄く可笑しい。
爆笑とは違うけれど、クスクス笑える感じ。


事情を知らされずにロボットに入った五十嵐は、
ワイドショーを見て仰天して、
「詐欺の片棒担がされた」と激怒するんだけど、
濱田たちを見捨てきれなくて、
4人で各地を周るんだな。
腹を決めた五十嵐は意外とちゃっかりしていて、
贅沢三昧の、経費使いたい放題(笑)。
濱田たちとのお食事の差は、
今思い出しても笑える。


濱田たちのドタバタぶりも可笑しい。
五十嵐が助けた吉高由里子は、
大変なロボットオタクで、大学の工学部の学生。
彼女は濱田たちに、
大学で“ニュー潮風”完成までの苦労話などを講演してほしいと、
申し込んでくる。
大学は学生の熱気で溢れ、
質疑応答では、
濱田たちが知りもしないような専門用語が飛び交い、
しまいには濱田たちそっちのけで、
議論が始まる。
学生たちの熱心な様子が、私にはとても気持ち良くて、
焦る濱田たちには申し訳ないけれど、
なんだかホッとできる場面であった。


もしこんな事が現実にあって、
それが世間に知られたら、
大騒ぎになるだろと思う。
ラストは上手くまとめてあるけど、
あんなに上手くいくのかは、ちょっと疑問(笑)。


エンドロールで、
Styxの「Mr. Roboto」が流れ出し、
「めっちゃカッコいい。誰が歌ってるんだろう」と思ったら、
これも五十嵐。
正式なバンド名は、
「五十嵐信次郎とシルバー人材センター」らしい。
いいね、とっても。


評価 ★★★☆☆

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コメント 2

k_iga

いやぁ、観に行きたいです。 
矢口史靖監督のスベるギャグも楽しみだし、社長に二足歩行
ロボの開発を厳命され困惑、というところがサラリーマン技術者の
共感を感じます(笑)。

by k_iga (2012-01-20 23:44) 

青山実花

k_igaさん

ぜひご覧になって下さい。
サラリーマンの悲哀がたっぷりと楽しめます(笑)。

本来は許されることのない、
「人を騙す」というのがメインのお話しなのですが、
なんだか許せてしまうのは、
登場人物たち一人一人が真面目で、
可愛いからだと思います。

by 青山実花 (2012-01-21 22:32) 

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