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「マイウェイ 12,000キロの真実」 [映画]

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〔2011年/韓国〕


1928年、京城(現在のソウル)在住の軍人・夏八木勲の家に、
日本から息子一家が引っ越してくる。


夏八木の家の、韓国人の使用人の小学生の息子は俊足自慢で、
同じ年頃の夏八木の孫と、その場で駆けっこをする。
いい友達ができたと周りは喜ぶが、
その後、ある事件が起こり、使用人は解雇される。


大人になった二人、オダギリジョーとチャン・ドンゴンは、
大きなマラソン大会で、いつも1位を争ってきた。
ドンゴンは、いつかオリンピック出場をと願うようになる。


太平洋戦争が始まり、
ドンゴンは日本人として戦争に行く。
そして戦場でオダギリと再会。
オダギリは、冷血な上官で、
戦場でもマラソンの練習を続けるドンゴンに、
憎しみの目を向けるのだった。


オダギリはロシア軍への特攻兵にドンゴンを選ぶが、
奇襲に遭い、
2人を含む多数の日本兵が捕虜として、
酷寒のロシアで過酷な労働を強いられる。


オダギリは上下関係のなくなったドンゴンと接し、
また、ロシアの無情な上官にかつての自分を重ね合わせ、
自分の愚かさに気付き始める。


しかし、戦争はまだ終わりはしなかった。
ドンゴンのオリンピック出場の夢は叶うのか・・・。





映画の7割は戦場でのシーンといっていいと思う。
毎回書くけれど、
「戦争はキチガイだ・・・」という言葉が頭の中でリフレインして、
止まらない。


殺し合いも勿論だけど、
昨日まで仲間だった者が、
今日は敵の将校に媚を売り、
戦友を庇おうともしない。
「それもこれも、みんな生きる為。仕方ない仕方ない・・・」、と、
自分に言い聞かせながらスクリーンを観る。


オダギリジョーが出ているせいもあり、
私はこれを、日韓合同映画だと思っていたのだが、
ネットで調べると、韓国映画のようだ。
そのせいかどうかは分からないけれど、
どうしてもチャン・ドンゴンの方に思い入れが強くなるような作り。


ドンゴンたち、韓国人は皆、
日本が韓国を日本の領土としたせいで、
日本人として戦う事を強要され、朝鮮語の使用は絶対禁止。
(それでも仲間うちでは朝鮮語しか話さないが)
ドンゴンはつまらない理由をつけられては虐げられるが、
それでも美しい心は失わない。


オダギリも冷酷だが、
それ以上に韓国人をいたぶるのが、山本太郎。
彼はまるでサディストのように、
「ノロマな朝鮮人!」と罵り、
酷い仕打ちをする。


社会的発言で話題になった山本が、
この役をどのような気持ちで演じたのだろうかと、
なんだかとても気になってしまった。


映画は、ノルマンディ上陸作戦にまで話が及ぶ。
その場面は、「プライベート・ライアン」の、
あの激烈な冒頭の場面を思い出さずにはいられなかった。
あの戦いをこちらから見るとこうなるわけね、と、
戦争の歴史として興味深かった。


評価 ★★★☆☆

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ねじまき鳥

長谷川が最後に韓国人として五輪に出るのはありえなかった。また、江戸時代ではあるまいに切腹のシーンも・・。やはり韓国からの視点ですね。
by ねじまき鳥 (2012-01-16 00:27) 

青山実花

ねじまき鳥さん

>長谷川が最後に韓国人として五輪に出るのはありえなかった。

私もその部分に違和感があり、
本文でそこに触れる事がどうしても出来ませんでした。
何歩譲っても、それは有り得ない気がします。

>切腹のシーンも・・

そうなんですね。
所詮は日本を分かっていない映画という事なのでしょうか。
全体の作りは悪くないのに、残念です。

by 青山実花 (2012-01-16 14:43) 

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