「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング」 [映画]
〔2002年/アメリカ〕
ニア・ヴァルダロス、30歳。
冴えない容貌で恋人もおらず、
家業のレストランを地味に手伝う、独身女性。
彼女の父親・マイケル・コンスタンティンはギリシャからの移民で、
とにかくギリシャ命の男。
家はパルテノン神殿を模したような作り、
庭には彫刻が並び、
全ての人類・文明はギリシャから始まったと、
公言して憚らない。
ヴァルダロスは一念発起し、
大学に通う事を決める。
お洒落をし、内気な性格を直そうと努力し、
変わり始めた頃、
教師・ジョン・コーベットと熱烈な恋に落ちる。
しかしギリシャ系でないコーベットとの交際に、
父親は猛反対。
悩んだヴァルダロスはコーベットに、
駆け落ちを持ち掛けるまで思い詰めるが、
コーベットは、「自分を恥じるような行為はやめよう」と、
どこまでも懐深く、真っ当で温かい。
コーベットは父親に挨拶に行くが、
なにせ係累が多いギリシャ系、
家には驚くような数の親類が集まっており、
コーベットを驚かせる。
二人は無事結婚まで辿り着けるのか・・・。
なんとも愉快な物語。
ジャンル分けするとしたら、ラブコメディだろうが、
ファミリーコメディといった方がしっくりくる内容。
主役はニア・ヴァルダロスなのだろうが、
彼女より目立つのが父親のマイケル・コンスタンティン。
彼は一日中、ギリシャの事しか考えていない(笑)。
彼は、「全ての言語は、必ずギリシャ語が語源だ」と言い張り、
ヴァルダロスの友達に、「何か一つ単語を言ってみろ、証明する」と言う。
友達が、「じゃあ、“着物”は?」と意地悪く言うと、
目を白黒させながらも、有り得ない理論を展開するといった具合(笑)。
ヴァルダロスとコーベットの、
実家の対比が笑える。
コーベットを迎えるヴァルダロスの親戚の数と、
そのテンションの高さは異様なものがあるが、
コーベットの実家に挨拶に行ったはヴァルダロスは、
物静かな両親とソファーで向かい合い、
「シーン」としたその部屋は、空気の音まで聞こえそうな雰囲気(笑)。
両親同志の顔合わせの場面がまた笑える。
6人だけの静かな集いだったはずが、
またまたヴァルダロスの父親は、
親戚全部を呼んでしまう。
驚くコーベットの両親の顔と、
その場のやり取りがなんとも可笑しくて、
一人で爆笑してしまった。
ヴァルダロスの一族のあまりの凄さに、
コーベットが「やっぱり無理だ」と言い出すのではないかと、
ちょっとハラハラするが、
そのような事はなく、
コーベットは意外と楽しんでいるようにも見受けられて、
その辺の波乱はない。
1時間半の内容なので、
無駄な場面が無く、スッキリと楽しめる。
ギリシャ人って、本当にこんななのだろうか(笑)。
これを観たギリシャの人が、何と言うのか聞いてみたい。
もし日本がこのような形で描かれるとしたら、
どんな内容になるんだろう。
評価 ★★★★☆
2012-01-14 12:00
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