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「問題のない私たち」 [映画]

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〔2004年/日本〕


中学生の黒川芽以は、クラスメイトの先頭に立って、
同じクラスの美波に、酷いいじめを繰り返していた。
いじめで自殺した子供のニュースを見ても、
「死ぬくらいなら歯向かっていけばいい」と、心を動かさない。


そんなある日、転校生・沢尻エリカがやって来た。
美しく明るい沢尻にクラスメートたちは惹かれるが、
何をしても自分より勝っている沢尻が面白くない黒川は、
いじめのターゲットを沢尻に変え、
クラスメイトにもそれを強要する。


しかし、沢尻の方が上手だった。
巧みに女子たちの心を掴んだ沢尻は、
黒川に逆襲を開始。
今度は黒川が激しいいじめを受ける立場になる。


苦しむ黒川を、たった一人庇ったのが、
今まで彼女がいじめていた美波だった。
心優しい美波と接するうちに、
いじめの不毛に気付いた黒川は、
ある行動により、いじめの馬鹿馬鹿しさを、
皆に知らしめる。


しかし、いじめ問題も落ち着き始めた頃、
今度は教師による、別の問題が勃発し・・・。





冒頭からいじめられる美波が可哀相でたまらず、
黒川芽以がいじめられるようになっても、
「自業自得」の言葉が頭から離れない。


沢尻エリカは言う。
「私はやられたらやり返すの」、と。
それは黒川が日頃から思っていた、
「歯向かっていけばいいのに」をそのまま地でいく行為で、
矛盾点はない。


実は黒川も、
家庭で、あるストレスを抱えており、
そのイライラがいじめに繋がったと言っていい。
私生活で何があろうと、他人をいじめるなど許されない行為ではあるが、
子どもはそうする事でしか、
フラストレーションを発散できないのであろうか。


黒川はクラスメイトの、いじめの連鎖を止めるわけだが、
そこは大変に評価できる、
現実にはなかなかそうはいかないものね。


私が今まで観た、いじめを扱った映画の中で、
一番残酷だったのは、「リリイ・シュシュのすべて」だが、
(本当にあれは酷い地獄で、泣く事さえできなかった)
こちらの方が幼く、
また、話が解決に向かうだけ救いがある。


沢尻エリカが上手い。
彼女も、変な騒ぎを起こさず、
良い映画に出続けていれば、素晴らしい女優になれるのに、と思うが、
彼女は彼女で、そういう星の下に生まれたのでしょう。
再起するか、そこまでの人かは、
神のみぞ知るといった感じ。


評価 ★★★☆☆

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sevensea-south

どうぞよいお年をお迎え下さい。
いつもありがとうございます。
by sevensea-south (2011-12-31 23:14) 

青山実花

sevensea-southさん

こちらこそ、いつもありがとうございます。
今年がsevensea-southさんにとって、
素晴らしい一年でありますように。
by 青山実花 (2012-01-01 23:32) 

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