SSブログ

「天国の日々」 [映画]

tengokunohibi.jpg
〔1978年/アメリカ〕


1910年代。
不況で人々の生活も苦しい中、
リチャード・ギアは、職業を転々としながら生きていた。
気の荒い彼は、
職場ですぐに揉め事を起こし、長く同じ場所で働けないのだ。


彼はリンダ・マンツとブルック・アダムスの2人の若い女を
連れていた。
マンツはギアの実妹で、アダムスは恋人だ。
しかし2人とも妹という事にしていた。
その方が何かと都合が良かった。


3人は、広大な麦畑の刈り入れ作業員として雇われる。
農場主はまだ年若いサム・シェパード。
ある日ギアは、シェパードが余命1年という医者の話を、
偶然耳にしてしまう。


沢山の労働者が働く中、
シェパードは、アダムスに惹かれ、
刈り入れが終わっても農場に残って欲しいと申し出る。
アダムスがギアに相談すると、
どうせ余命短いシェパードなのだから、
プロポーズを受け入れろと勧める。


かくしてアダムスはシェパードと結婚。
隠れて逢引を重ねるギアとアダムス。
シェパードが持つ莫大な財産で、
天国の日々を過ごす彼らだったが、
シェパードは次第に不信感を募らせてゆき・・・。





8月に観た「ツリー・オブ・ライフ」の映像に魅せられ、
気になったテレンス・マリック監督。
今までに観た事があるマリック監督の作品は、
「シン・レッド・ライン」だけで、
あれにはまるで感動できなかったので、
もう少し別の物をと思い、本作を借りてみた。


大変に良かった。
特別なストーリーではないのに、
なぜかとても心惹かれる。
面白い。


麦畑の風景が素晴らしい。
風になびく麦と夕暮れ。
そして、沢山の動物たち。


最近はスカしたオッサンというイメージが強いリチャード・ギアだが、
昔はこの映画のような、野卑な男を演じていた。
本当はこういう役もできるのに、
そう考えると今の彼って、なんだか勿体ない。


サム・シェパードもいい。
スッとした、細身の体躯で、
余命1年という、
ジワジワと病に侵されてゆく若い大農場主という役を演じていた。
本当に素敵だった。
この映画の役の為か、
元々そうなのか、
彼の歯並びがあまり良くなくて、
アメリカ人俳優にしては珍しいと思ったな。
彼の映画は他にも観ているはずなのに、よく覚えていないのだけれど。
(と、ここまで書いて調べたら、これは彼が歯列矯正する前の作品のようだ)。


アダムスは次第に、
荒っぽいギアより、
紳士的なシェパードを愛し始めるのだけれど、
分かるなぁ、彼女の気持ち。


評価 ★★★★☆

nice!(19)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 19

コメント 2

don

読んでるだけでドキドキします。最後はどうなるのでしょう!?
リチャードギアは愛と青春の旅立ちのイメージが強くて、
ぼくの中では永遠の2枚目です^^
by don (2011-12-24 16:39) 

青山実花

donさん

観ていてもドキドキしました。
リチャード・ギアに「身を引いてほしい」と願ったりして。

私も同感です。
「愛と青春の旅立ち」は私の“白馬に乗った王子様願望”を
完全に叶えてくれた映画でした(笑)。
(白馬ではなく、真っ白な軍服でしたが)
あの時のギアも、過去ある暗い男を演じていましたね。
もう一度、あんなギアを観てみたい。

by 青山実花 (2011-12-26 13:16) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0