SSブログ

「キリング・フィールド」 [映画]

killingfield.jpg
〔1984年/イギリス・アメリカ〕


1973年。
ニューヨークタイムズの記者、シドニー・シャンバーグ(サム・ウォーターストン)は
内乱の続くカンボジアを取材するため、
首都プノンペンに来た。
カンボジア人のディス・プラン(ハイン・S・ニョール)が、
通訳やガイドや仕事の手伝いをしてくれる事になる。


プランは誠実で実直な男で、
シャンバーグの取材の為に大きな力となる。
シャンバーグはスクープをものにし、
2人は強い友情の絆で結ばれてゆく。


翌年、ポル・ポト政権が誕生し、
プランの家族は安全の為、アメリカに移住する。
シャンバーグ、そして、
ロックオフ(ジョン・マルコヴィッチ)、ジョン・スウェイン(ジュリアン・サンズ)の
3人の記者は兵士に捕まるが、
プランの必死の頼みにより、釈放される。


3人は、パスポートを持たないプランを、
何とか一緒にアメリカに行かせようとするが失敗、
プランだけを残して帰国する事になってしまう。


シャンバーグはプランの消息を知ろうと、
様々な手を打つが、手がかりが掴めない。
その頃、プランは、
ポル・ポト政権による過酷な運命に翻弄され、
生きる事さえ危うい状況にいたのだ・・・。





カンボジア旅行の感動がまだ体に残っているうちにと
観てみたのだが、
これは想像以上の内容であった。


ディス・プランを演じるハイン・S・ニョールが、
素晴らしくいい。
短い旅行だったが、私が感じたカンボジアの皆さんそのままの印象。
とても親切にして下さったガイドさんとイメージが重なった。


彼はアメリカ人記者の助手という立場だが、
卑屈になるわけでもなく、
どちらが上でも下でもなく、
強い信頼関係を築いてゆく様子に感動する。


シドニー・シャンバーグたちも、
プランを国外脱出させるために必死になり、
パスポートを偽造するという手段に出る。
けれど、本当に惜しい所で失敗。
涙が出そうなくらい、ガッカリする場面だ。


その後のプランの運命は筆舌に尽くし難い。
国民の三分の一を殺したという、
ポル・ポト政権による大虐殺。
知識層は全て殺されたという事だが、
医者、学者はもちろん、
メガネをかけているだけで、その対象になったという。
英語やフランス語を話せるプランは、
当然知識層と見なされる為、
農村で無学を振る舞いながら、
脱出の機会を窺う。


無数の白骨死体が転がる沼地を行く場面は、
想像を絶する。


ラストは、涙なくしては見られない。


評価 ★★★★☆

nice!(15)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 15

コメント 2

k_iga

これって「小さな恋のメロディ」のデヴィッド・パットナム製作なんですよね。

by k_iga (2011-11-21 22:37) 

青山実花

k_igaさん

映画って面白いですね。
同じスタッフさんが、
全く違う傾向の映画を作っていたりして、
驚く事があります。


by 青山実花 (2011-11-23 22:47) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0