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「クレイジー・ハート」 [映画]

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〔2009年/アメリカ〕


かつてスターだったカントリー歌手、バッド・ブレイク(ジェフ・ブリッジス)も、
今は落ちぶれ、
付き人もおらず、自分で車を運転しては、ドサ回りの日々。
昔は考えられなかった場所で歌い、
女は現地調達だ。


弟子のトミー・スウィート(コリン・ファレル)は、
今や1万人の集客力を持つ大スター。
バッドはトミーの話をされるのを極端に嫌がる。


巡業中、バッドは、
地元の雑誌で音楽の記事を書いている、
ジーン・クラドック(マギー・ギレンホール)から取材を受ける。
ジーンは、聡明な女性で、
4歳の男の子を育てるシングルマザー。
他の女とは違うジーンに惹かれてゆくバッド。


2人は互いの気持ちを確認し、
ジーンの息子もバッドに懐く。
ヒューストンの自宅に帰ったバッドの所に、
休暇を取って遊びに来るジーン親子。
しかし、3人で出掛けたショッピングモールで、
ある事件が起こってしまう・・・。





「レスラー」のカントリーシンガー版といった印象。
過去の栄光を引き摺る、落ち目の歌手バッド・ブレイクを、
ジェフ・ブリッジスが好演していた。


まず、最初から可笑しい。
バッドが次の公演会場として、
教えられた場所に行くと、なんとそこはボーリング場。
支配人から、
「食べ物とホテルは用意しますが、酒は有料です。
 ボーリングはやり放題です」と、
本気なんだかジョークなんだか分からない事を言われる。


かつてスターだった57歳の男が、ボーリング場の片隅で歌うってどうなのよと、
観ているこちら側は、
悲しさを通り越して、笑い出したいような気になってくる、
上手い作り。


支配人が「酒は有料」と言ったのは、
レコード会社からの通達があっての事なのだ。
実はバッドは、
重度のアルコール依存症で、
酒を手離せない。
ジーンは、彼を愛しながらも、
そこが引っ掛かり、前に進めない。
起こった事件も、酒がらみだ。


そうそう、ジーンを演じたマギー・ギレンホールが、
物凄く良かった。
今まで彼女を好きだと思った事は一度もなかったけれど、
子どもを大切に育てながら仕事をする女性の役が、
大変に上手かった。
美人じゃないのも、リアリティがあったし(笑)。


最初から、会話の中に何度も出てくる、
トミー・スウィートの名前。
バッドが嫌うから、どれほどイヤな男なのかと思っていたら、
とてもいい奴だった。
何か深い確執がありそうで、
「もしかして、実は息子とか?」と思ったけれど、
そうではなく、その辺の捻りはなかった。
昔捨てた息子は、別に出てくる。
とても悲しい形で。


評価 ★★★★☆

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コメント 2

のむら

いやほんと、話は「レスラー」と全く同じですよね。
でも、この作品から「ジェフ大好き!」になってしまいました・・。
まさかのコリンファレルが出てきたときは、大興奮。ポスター見てもコリンの名前なんてなかったのに〜。
by のむら (2011-11-13 16:16) 

青山実花

のむらさん

「レスラー」といいい、この映画といい、
アメリカも高齢化社会という事なのでしょうか。
オッサン、大活躍ですよね(笑)。

私もこの映画のジェフ・ブリッジスはいいと思いました。
今まで、彼が出ているからといって、
映画を選んだ事は一度もないのに、
調べると結構沢山の出演作を観ていました。
いつの間にか、人の心に入り込んでいたジェフ(笑)。

コリン・ファレルは「フォーンブース」のイメージが強くて、
なんか嫌な奴って思い込んでいたのですが、
これからは考えを改めます(笑)。

by 青山実花 (2011-11-14 11:32) 

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