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◆九龍城探訪&最期の九龍城砦◆ [本]


九龍城探訪 魔窟で暮らす人々 -City of Darkness-

九龍城探訪 魔窟で暮らす人々 -City of Darkness-

  • 作者: 吉田 一郎
  • 出版社/メーカー: イースト・プレス
  • 発売日: 2004/02/21
  • メディア: 大型本



最期の九龍城砦

最期の九龍城砦

  • 作者: 中村 晋太郎
  • 出版社/メーカー: 新風舎
  • 発売日: 1996/02
  • メディア: 大型本


後悔だらけの私の人生であるが、
その後悔に順位をつけるなら
香港の九龍城に行かなかった事も、
かなり上位に食い込む事柄である。


ご存じの方も多いであろうが、
九龍城とは、
1994年に取り壊された魔窟と呼ばれる、
建造物である。


なぜ、魔窟なのか。
九龍城は、ちゃんとした設計図のある一つの建物ではなく、
いわば違法建築といえる、
継ぎ足された建物が膨れ上がった状態であり、
中には、隣の建物に寄り掛かるようにして建っているものや、
隣の建物の外壁を内壁にしている、
豪快な部屋もあったという。


そんな状態だから、
24時間太陽の当たらない建物が殆どで、
また、素人が電気から水道まで引いてくるものだから、
廊下は電線やら配管やらで、
ごちゃごちゃなのが、写真から見て取れる。
屋上もまた、無数のテレビのアンテナが無秩序な状態で張られている。
(上手く説明できないのがもどかしい)。


内部では、麻薬、賭博、売春、違法診療などが行われ、
不法滞在者の棲み処としても、もってこいの場所だと言われるが、
いやいや、想像されているよりずっと平和で、
住人たちは、ある秩序を持って生活していたという話もある。


政府の干渉を拒み続けていたようで、
治外法権だったらしく、
これは想像だけれど、
犯罪者が匿われたら警察もお手上げだろうなという気がする。


私は九龍城の事を考えると、
なぜか、胸がぎゅっとなって、
物凄く懐かしい気持ちになる。
前世で住人だったら面白いのに、と思う(笑)。


今はもう存在しない九龍城。
もう二度と、あんな規模で、
あのような建物ができる事は無いだろう。
なぜ取り壊したのか。
中国政府は惜しい事をしたものだ。
仕方がないので、
何冊か持っている写真集を、
時々取り出しては眺めている。


もしどなたか、
外からでも、九龍城を見た事がある、という方がおられたら、
お話を聞いてみたいです。
(さすがに、中に入ったという方はあまりいないでしょうし)

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コメント 6

ryo1216

初めての海外旅行が香港で、真新しい地下鉄に乗って、取り壊しの決まっていた九龍城見に行きました。最寄駅から九龍城までの、真新しい建物群が印象的でした。懐かしく思い出しました。
by ryo1216 (2011-10-28 02:12) 

青山実花

ryo1216さん

コメントありがとうございます。
九龍城、ご覧になられましたか。
心底羨ましい気持ちで一杯です。

周辺がそれほど近代化されていたのなら、
九龍城は余計に周りから浮いて見えたのでしょうね。
やはり政府からしたらお荷物だったのでしょう。
しかし取り壊したのは残念です。

私も香港が大好きです。
2004年にたった一度行っただけなので、
立派な事は言えないのですが、
ぜひ、もう一度行ってみたい。

by 青山実花 (2011-10-28 11:35) 

わたし

わたしが香港に行ったのはいつだろうと、調べてみました。
最初は1999年、そしてその翌年と2回行っています。
九龍が取り壊されたのが1994年でした。香港に行く以前からずっとみたいと思っていたのですが(その頃はその周囲を案内してくれるツアーもあった)結局子育てや主人の仕事などで行かれていません。
しかもあと、1年早かったらあの世界一キケンといわれる、空港の経験もできたのです(ビルの合間をめがけて着陸)
どちらも経験できなかったですが、とてもここちよい国でした。
香港人のガイドさんは中国人が大嫌いで、常識的ではない、文化的ではない、と結構悪口を言っていました。
今、中国に飲み込まれてしまった香港人は本当に無念だと思います。
わたしも、アジアの国々が大好きで、妙におちついて夜も怖くもなく、歩いていると前世は、ここじゃないか?と思う事がしばしばです。香港は2回、タイは4回、フィリピンは3回行っているので、前世はこの3か所のどこか、それも結構混沌としたところだと思っています(笑)わたしも、九龍の本を買って実花さんのように、しばし眺めようかな
あの建物は、ガウディどころではないですね、世界遺産にすべきでした。軍艦島のように。


by わたし (2020-09-10 21:23) 

青山実花

わたしさん
コメントありがとうございます。

香港には2回行かれているのですね。
九龍城と、あの空港、ちょっとの差で体験なされなかった事、
私まで悔しい気持ちです。
私が香港に行ったのは2005年です。
たった3日間でしたのに、あの街を大好きになっちゃいました^^
また行きたいと思いながらいるうちに、
今のような政治情勢になってしまい、
ニュースで見る度に、悲しい思いです。
九龍城取り壊しにしてもそうですが、
中国って本当に無粋で腹が立ちますね。

そういえば、香港を舞台にした、
森瑤子さんの小説、
「浅水湾(リパルスベイ)の月」は
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2014-05-28
胸が締め付けられます。

by 青山実花 (2020-09-12 18:24) 

わたし

ご紹介の本、とても興味があります。
もう、紙の文庫本は、わたしの目がダメなので、さっそく電子書籍のお試し版をダウンロードして読んでみました
あ、これはおもしろそう、と有料ダウンロードしようと準備していたら、ipadの充電トラブルがあり、(満タンになっても、数時間で空っぽで電源おちていた)まだ、i-padの充電器を変えたり、コードを変えたり、試行錯誤中です。もう古いので、i-padの買い替えも考え中。
ですので、まだダウンロードまで行っていませんが、かならずよみたいと思います。
情景の詳細描写がとてもいいと思います。

わたしも、印象に残っている本があります、タイ人のお金持ちに嫁いで、チャオプラヤ河のそばで贅沢に暮らす日本人女性の小説です。
それも現地の情景が目に浮かぶように書かれてありました。

また、読み終えたらコメいれますね!
ありがとうございました(^-^)
by わたし (2020-09-16 08:55) 

青山実花

わたしさん
コメントありがとうございます。

なんだか本を押し付けるようになってしまって、
申し訳ありません。
もしもつまらなかったら、
許してくださいね。

電子書籍、いいですね^^
私も、koboというのをもらって、
読んだ事があります。
あまり使いこなせていないのですが^^;

どうぞ、ゆっくり直して、
ゆっくり読んでくださいね。

by 青山実花 (2020-09-19 20:06) 

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