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「わたしを深く埋めて」 [映画]

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〔1963年/日本〕


現在、銀座シネパトスで上映されている映画のテーマ、
「名画座サスペンス劇場 傑作選 第3幕」。
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弁護士、田宮二郎が出張先から戻ると、
下着姿の見知らぬ女が部屋で待っており、挑発される。


出張中、彼は親友の川崎敬三に部屋を貸しており、
女は川崎に関係があると思われた。
川崎は妻、若尾文子と離婚を前提に別居しているのだ。
田宮は、酔っていた女を何とかタクシーに乗せるが、
車内で彼女が死んだと連絡が入り、殺人容疑をかけられる。
死因は、女の飲んでいた酒に入っていた毒に因るものだった。


しかしこれは、川崎と彼の顧問弁護士が仕組んだ狂言だと分かる。
川崎はまだ、若尾を深く愛しており、
親族から責められている若尾を守ろうと、
離婚は自分の浮気が原因だという既成事実を作ろうとしたのだが、
時間に遅れたのだ。


嫌疑が晴れた田宮だが、
女が誰に殺されたのかは、まだ分からなかった。
田宮と警察の捜査により、
女は、ある富豪夫妻が交通事故で死んだ際、
その場に居合わせた証人だった事が分かってくる。
死んだ富豪の財産分与を巡って、
女の証言が大変重要になってくるのだ。


さらに、田宮の部屋で、今度は川崎が射殺される。
田宮と間違えられて殺されたらしい。
ショックを受ける若尾だが、
彼女は、田宮を箱根旅行に誘う。
二人は以前から惹かれあっており、
やっと結ばれる事ができたのだ。


次々起こる殺人事件。
真犯人は誰なのか・・・。





ずいぶん沢山の人が死ぬが、
結構コミカルな印象で、軽い。
コミカルじゃないのは、
離婚寸前の若尾さんくらい。
「わたくしは弱い女ですわ」って、何度も言う。
綺麗なお着物でそんな事言われたら、
田宮二郎じゃなくても、クラクラしてしまうだろう(笑)。


メインのキャストより、
交通事故で亡くなった富豪夫婦の財産の行方の方が、
私にはとても面白く感じられた。


なにせ、この夫婦、
金持ちの老人と若妻という組み合わせ。
もちろん新婚。
なんだか今の日本で話題になっている、
数組の芸能人夫婦を思い出す。


夫婦はどちらかが先に亡くなった場合を想定して、
財産の相続先を明文化してある。
つまり、交通事故とはいえ、
たった数分でも、どちらが長く生きていたかで、
財産の行方が変わってくるのだ。
「なるほど」、と思う。


気の弱い夫に川崎敬三、
その妻、若尾文子。
そして、間に立つ田宮二郎。
なんだか前にも観たようなパターンだが、
若尾さんを観られるなら、もうなんでもいいや、という気になる。


評価 ★★★☆☆

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