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「ある愛の風景」 [映画]

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〔2004年/デンマーク〕


デンマーク人のウルリク・トムセンは、美しい妻コニー・ニールセンと、
二人の可愛い娘を持つ、国連軍のエリート兵士。
両親は長男の彼を自慢に思っていたが、
次男ニコライ・リー・コスは銀行強盗の罪で服役し、
一家の厄介者だ。


トムセンは命を受け、戦渦のアフガニスタンへ赴く事が決まる。
必ず生きて帰ると誓うトムセンだったが、
赴任してすぐ、彼の乗ったヘリが撃墜され、
ニールセンの元に、死亡の報せがくる。


トムセンの葬儀を済ませ、
放心のニールセンに、優しく接するコス。
ニールセンは少しずつ、明るさを取り戻してゆく。


ところが、死んだと思われていたトムセンは、
半死の状態で、
アフガニスタンの捕虜となり、監禁されていたのだ。
薄暗い監禁室には、すでに一人のデンマーク人が捕虜となっており、
二人は、助けが来る日を待ちわびる。


そんな時、事件が起こる。
トムセンの心に一生消える事のない傷を残す事件が。
その後、トムセンは救出され、家に帰るが、
その時の出来事が頭から離れない彼は、
戦争に行く前とはまるで別人のように荒れ狂い、
ニールセンとコスの仲を疑い、
暴力を振るう男に成り下がっていた。


トムセンの心の傷は癒える日が来るのか。
そして家族は・・・。





まず、戦争などとはまるで縁の無さそうなデンマークでも、
このような現実がある事に驚き、
結局、戦争に加担していない国なんてないんだなぁと、
それを最初に思った。


ウルリク・トムセンが抱えたトラウマは、
私なんかには想像もできないくらい辛い出来事だが、
しかし、おこがましくも何か一つ進言するとしたら、
あれは、戦争という異常な状況下で起こった事であり、
あなたが気に病む必要はない、
忘れた方がいい、と言う事であろう。


もちろん、人の心はそんなに簡単なものであろうはずもないから、
軽々しい事は言えないし、
自分が同じ立場だったら、
やっぱり同じように苦しむだろうけれど。


ラストは、ほんの少し希望の光が見える。
もし神様が存在するなら、
どうかどうか、ウルリク・トムセンの心が少しでも軽くなって、
立ち直れますように、
そして、変わってしまった父に怯える子どもたちに笑顔が戻りますようにと
願わずにはいられなかった。


評価 ★★★★☆

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