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「夏時間の庭」 [映画]

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〔2008年/フランス〕


パリ郊外、ヴァルモンドワ。
著名な画家だった大叔父が残した家で、
一人暮らす75歳のエディット・スコブ。
家は貴重な美術品で溢れ、
広大な庭は、美しい草花でいっぱいだ。


スコブの3人の子供、
シャルル・ベルリング、ジュリエット・ビノシュ、ジェレミー・レニエが、
休暇にそれぞれの家族を連れてやってくる。
彼らは楽しい時間を過ごすが、
スコブは、長男のベルリングに、
自分の死後は、膨大な美術品と家を売ってほしいと言う。


まるで自分の死を予感していたかのように、
スコブはその後、すぐに亡くなり、
3人は遺産の処分について話し合う。


ベルリングは、残された物を処分したくはなかったが、
ビノシュとレニエは、今後は海外で暮らす予定だと打ち明け、
なんとなく多数決のような形で、
美術品はオルセー美術館へ寄贈、
家は売却という方向に話が決まる。


全ての品が持ち去られた、ガランとした家。
そこでベルリングの娘は、最後のパーティを開く・・・。





観終わった直後は、それほどでもなかったけれど、
後になって、じわじわと哀しみが伝わってくる。


子供の頃は一緒に暮らし、
共に笑いあった家族も、
大人になれば、それぞれの事情を抱え、
全員が集まるなんて、
残りの人生であと何回あるかというようになる。
当たり前の事だけれど、
よく考えてみると、親兄弟と一緒に過ごせる時間って短い。


「今まで自分が住んでいた家に、全く知らない家族が暮らす。
 不思議な感じだ」というセリフがあったが、
この映画のような大きな家ではなくとも、
似たような感慨に捉われた事がある方も多いだろう。
心にじんときた。


ただ、その反面、自分の俗人っぷりを思い知らされた映画でもある(笑)。
家に溢れる高価な美術品、
あれらを全部売り払ったら、一体いくらになるんだろう、
兄弟3人で分けても、相当な金額だよなと、
ちょっと羨ましく思ったりして(笑)。


オルセー美術館、開館20年を記念して作られた映画だそうで、
使われている美術品も、
全て本物だそうだ。


評価 ★★★☆☆

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