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「扉をたたく人」 [映画]

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〔2007年/アメリカ〕


リチャード・ジェンキンスは、コネティカット州に住む、
62歳の大学教授。
妻を亡くし、落ち込みがちな彼は、
偏屈で融通が利かない、孤独な男だった。


ニューヨークでの学会に出席する為、出掛けた彼が
マンハッタンに所有するマンションの鍵を開けると、
アラブ系の男、ハーズ・スレイマンと黒人の女、ダナイ・グリラのカップルが、
そこで暮らしていた。
彼らはその部屋がジェンキンスのものだと知らず、
騙されて借りていたのだ。


不法滞在の彼らは、通報される事を恐れ、
部屋を出ていくが、
行き場のない彼らを不憫に思ったジェンキンスは、
数日間の滞在を許す。


スレイマンとグリラは、素直で真面目なカップルで、
アフリカの太鼓、ジャンベ奏者のスレイマンは、
ジェンキンスにジャンベを教え、
ジェンキンスも、その音や奏法に魅了されてゆく。


すっかり打ち解けあったジェンキンスとスレイマン。
しかし、二人が地下鉄の改札に入ろうとした時、
料金を払っていないと勘違いした警察に、
スレイマンが逮捕されてしまい、
不法滞在も発覚する。


ジェンキンスは、自分の弁護士に頼んで、
なんとかスレイマンを刑務所から出してもらえるように奔走するが、
事は、中々思うように進まない。
数日後、連絡が取れなくなった事を不審に思った、
彼の母、ヒアム・アッバスがニューヨークにやって来て、
息子の逮捕を知るのだった・・・。





孤独な初老の男と、不法滞在のカップルの交流が、
心温まる秀作。
ジャンベという楽器を通して、
心を開いてゆくリチャード・ジェンキンスの様子を、
ホッとしたような思いで観ていた。


ハーズ・スレイマンが実に良い。
フレンドリーで明るく、
とても気持ちの良い青年だ。
こんな良い若者が、
刑務所に入れられる、その現実。
もちろん、法律があるのだから仕方ないが、
何とかならないものかと、もどかしい。


それで、もしかしたら間違った考えかもしれないけれど、
一つ、思い立った事がある。
スレイマンの母親、ヒアム・アッバスは、
美しく、理知的な女性で、
しかも、夫とは死に別れている。
もう、こうなったら、
ジェンキンスとアッバスが結婚しちゃうってのはどう?って。


偽装結婚は摘発されるけれど、
二人はとても打ち溶け合って、
一緒にニューヨーク観光したり、
同じベッドに入ったりしているのだよ。
れっきとした恋愛結婚なら、誰にも文句はあるまい。
法律の事は分からないから、
絶対とは言えないけれど、
結婚しちゃえば、アメリカ国民になれるんじゃ?
息子は扶養家族って事で(駄目?)。


もちろん、事は私の思う通りには進まない。
そんな簡単な事じゃないものね。


評価 ★★★★☆

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