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「ジャングル・フィーバー」 [映画]

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〔1991年/アメリカ〕 


ウェズリー・スナイプスは、建築デザイナーの黒人エリート。
妻と可愛い娘がおり、生活は順調だ。


ある日、派遣会社から、イタリア系白人、アナベラ・シオラが、
彼の秘書としてやってくる。
黒人女性を希望していたスナイプスだったが、
シオラと毎日一緒に仕事をしてゆくうちに、
彼女の能力と人柄に惹かれ始め、ついに二人は一線を越えてしまう。


この事は、彼の妻にすぐに知られる事となり、
怒り狂った妻は、彼を家から追い出す。
シオラの父親も、娘が黒人と関係した事へのショックで、
シオラを激しく殴打し、最後はベルトで彼女を打つ。


また、スナイプスはシオラを実家に連れてゆくが、
両親も、息子が白人と付き合う事に激しい嫌悪感を示すのだった。


シオラには、恋人、ジョン・タトゥーロがいたのだが、
黒人に彼女を奪われたショックは大きく、
タトゥーロの父親も、そんな息子の不甲斐なさを嘆く。


スナイプスとシオラは一緒に暮らし始めるが、
しかし、次第に齟齬が生じ始める・・・。





黒人男性と白人女性の恋愛に切り込んだ、
スパイク・リー監督の社会派映画だが、
ウェズリー・スナイプスを独身と設定した方が良かったように、
私には思えた。
この内容では、異人種間の恋愛がタブーなのか、
不倫がタブーなのか、焦点がぼやけてしまっている。


まぁ、それはさて置き、
黒人であるスパイク・リー監督だから描けたと思われる、
数々のセリフがきわどい。


自分の恋愛を女友達に相談したアナベラ・シオラだが、
女友達は相手が黒人と知るや驚き、
「私は絶対イヤ。気持ち悪い」と言う。
スナイプスの友人たちも、
彼が白人女と出来上がった事に驚きを隠さない。
白人監督が作った映画だったら、シャレにならない。


また、路上で二人がケンカをしていると、
パトカーが駆けつけてくる。
「黒人男が白人女をレイプしていると通報があった」、と。
ああ、これこそが黒人に対するアメリカ社会の意識なんだなと、
私には、その場面が一番印象に残った。


アメリカ人でない私に、
本当の意味でこの映画が理解できたかは分からないし、
分かったような事も言いたくない。
日本だって、差別が全く無いかと言えば、
そうじゃないしね。


異人種間の恋愛が、
家族や友人まで巻き込んで、大騒ぎになる事だけは理解できた。
そして、そこで生まれた子供は、
白人社会にも、黒人社会にも受け入れられず、
苦しむであろう事も。


スナイプスの妻は、黒人と白人のハーフという設定で、
今は、黒人としてコミュニティに根を下ろしているが、
幼い頃は辛かった事を仄めかしているし、
例えば、オバマ大統領も黒人と白人とのハーフだが、
幼心に、それは違和感だったと何かで読んだ。


人間がいる限り、差別は無くならない。
多分、永遠に。


評価 ★★★☆☆

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