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「千羽鶴」 [映画]

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〔1969年/日本〕


平幹二朗は、お茶の師匠、京マチ子が主催する茶会に出向き、
そこで、亡くなった父の愛人、若尾文子とその娘に出会う。


元々、父の愛人は京だったのだが、
父が若尾を愛した為、京は捨てられたという経緯が二人にあった。
京と若尾は、いわば敵同士であり、
京が若尾を茶会に呼んだのにも、
何か策略がありそうだ。


京の左胸には、子どもの掌くらいの黒く大きな痣があり、
そのせいではないだろうが、
彼女には魔を引き寄せるような雰囲気があった。


若尾は、かつて愛した男にそっくりの平を見て、
居ても立ってもいられず、
帰り道で平を待ち伏せし、
そのまま旅館で関係してしまう。


ところが、家に帰ると京が待っていた。
京と平は、男女の関係ではなかったが、
彼女は普段から、まるで母か姉のように、
甲斐甲斐しく平の世話を焼いていた。
平はそれを快く思ってはおらず、
「帰ってくれ」と言うのだが、
京は、そんな事は意に介さず、
いつも平の家にやって来る。


若尾と平の関係に気付いた京は、
様々な事を平に吹き込む。
若尾はもう、平なしでは生きられないようになっており、
平も彼女を愛し始めていた。
そんな二人に、京はどう出るのか。
二人の運命は・・・





原作は川端康成の同名小説で、
川端康成は、本作でノーベル賞受賞したと言われるくらい、
格調高い名作だ(と思う)。


しかし、京マチ子と若尾文子にかかると、
全然違ったものに見えるよ(笑)。
京マチ子は怖いし、
若尾さんは、ただの男に狂った女だ(笑)。


劇中、京マチ子は若尾さんを、
「いつも男に夢中で、ぐにゃぐにゃした人」とこき下ろすが、
その言葉は実に的確で、
平幹二朗に迫る若尾さんは、
本当に軟体動物みたいだよ(笑)。
精神のバランスも多少崩れているのか、
もう、平に抱かれているのか、
平の父に抱かれているのかも、
分かっていないような有り様である。


京マチ子の図々しさも凄い。
元愛人という理由だけで、
まるで自宅のように平の家に出入りするなんて、
普通の神経じゃできない。
平に何を言われてもお構いなし。
私が平なら、夜逃げしたくなるよ(笑)。





今週は、若尾文子週間であった。
私一人で(笑)。
若尾さんのビデオを3本借りられたので、
一気に観たのである。


まとめて観られたのは嬉しかったけれど、
もしかしたら、DVD化されていないのは、
それなりに理由があるのかも、と思った次第(笑)。
でも、それでも、
やっぱり1本でも多くDVDにしてほしいし、
レンタルもしてほしい。
リアルタイムで若尾さんの映画を堪能された方が羨ましい。


評価 ★★★☆☆

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