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「積木の箱」 [映画]

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〔1968年/日本〕


佐々林一郎(内田義郎)は中学3年生。
父、豪一(内田朝雄)は北海道一と言われる実業家。
他に家族は、母(荒木道子)、長女(松尾嘉代)、次女(梓英子)。


ある日一郎は、父親の部屋からおかしな声が聞こえた為、
窓から覗いてみると、
中で父親と長女が睦みあっており、激しいショックを受ける。


一郎が姉だと思っていた長女は、なんと父親の愛人で、
彼女が15歳で奉公に来た時から13年間、
佐々林家の家族として、世間の目を欺いて暮らしてきたのだ。
いわゆる、妻妾同居というその生活に、
初めは苦しんだ母だったが、
今はもう諦めの境地で、
習い事やボランティアで、気を紛らわせていた。


一郎は荒れ、家族と食事をするのも嫌がるようになるが、
そんな彼に親切に接してくれるのが、
通学途中で商店を営む川上久代(若尾文子)。
彼女は女手一つで5歳の息子を育てながら、
店を切り盛りする気丈な女で、
一郎は、そんな彼女に心惹かれるのであった。


もう一人、何くれとなく一郎に親身になってくれるのが、
彼の担任教師、杉浦悠二(緒形拳)。
彼はどんな誘惑にも負けない高潔な人物で、
生徒指導も的確だ。
実は彼は久代に惚れており、
ある日プロポーズする。


ところが、久代にはある隠された過去があった・・・。





これはもう、主役は完全に松尾嘉代であろう。
若尾文子さんより、ずっと出番が多く、
片っ端から男を誘惑し、
何かあると、甲高い声で高笑い。
いやはや、凄い演技である(笑)。


内田義郎に接する時の態度も強烈。
変なネグリジェみたいな服を着て、
中学生相手にしなを作って、
ついには関係してしまうのだよ。
こんな悶々としている年頃に、
こんな女に誘われちゃ、
我慢できるはずもあるまい(笑)。
家の中は、もうめちゃくちゃだ。


若尾さんが観たくて借りたのに、
これじゃ何を観たんだか分かりゃしない(笑)。
若尾さんは、地味な商店のおばさんでしかない。
でも、だからといって、松尾嘉代の役はしてほしくないしなぁ。


ただ、緒形拳さんと共演しているのは嬉しかったな。
私は彼が大好きだし、
そもそも二人が一緒に映画に出ているなんて、
珍しい気がする。


原作は、三浦綾子さんだが、
本当にこんな内容なんだろうか。
もちろん基本のストーリーはそうなのだろうが、
相当デフォルメされているような気がする。
未読なので、あくまでも憶測ではあるが。


評価 ★★★☆☆

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映画の門外漢

この作品は、まだガキの頃に行きつけで銭湯に貼られていたポスターの
ト書きが刺激的だったので、番台からタダ券(俗に言う「ビラ下」…)を貰い受け、駅裏の映画館の3本立てで観ました。確か中学卒業して高校入学直前の頃だったと思いますが、別に「成人映画指定」されてなかったので、スンナリと入場できましたけれど、まだ思春期始めの当時は十二分にエロチックに感じましたね!?特に内田義郎と松尾嘉代の“ベッドシーン”はスクリーンを直視する度胸もなく、暗がりで顔を伏せながら映像の中で交わされる“ピロートーク”を、顔を赤らめて聞き流しました。一緒に行った知人も同様だったそうですが、後年、テレビ放映された時に視たら、大してエロくは感じなかったですね(笑)。妙に根アカでアッケラカンとした雰囲気の松尾嘉代よりも、もっとセクシーな女優の方が、年下の“坊や”の初体験の相手役として相応しかったのでは…?なんてことも考えたりして、テレビ放映の頃には自分もさらにポルノチックな映画を観ていただけでなく、年上女性相手の体験も重ねていたからね!
それよりも内田朝雄という映画やテレビドラマで黒幕を演じるのが秀逸な俳優の存在が印象に残りました。
昼メロでテレビ版も制作されたと記憶していますが、この時は若尾文子の未亡人役を、テレビでは篠ひろ子が務めていたと思います。
とにかく大映…というよりも日本映画界が斜陽化し始めた時代に差し掛かっていた侘しさも感じました。何も作品の舞台が北海道だったことだけが理由じゃないと考えますが…??
by 映画の門外漢 (2015-10-05 11:39) 

青山実花

映画の門外漢さん
コメントありがとうございます。

若い頃観た映画を、
少し時間が立って、また観ると、
印象が変わる事ってありますね。

ドラマ化もされているのですね。
篠ひろ子さん版、見てみたいです^^
by 青山実花 (2019-12-29 23:25) 

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