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「殺人!」 [映画]

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〔1930年/イギリス〕


深夜のロンドン。
ある劇団の女優が殺害される。


遺体の横には、呆然と立ち尽くすノラ・ベアリングがおり、
そばには血の付いた火かき棒が落ちていた。
ベアリングは現行犯逮捕される。


裁判。
陪審員の一人、ハーバート・マーシャルは、
事件には不審な点が多いと、
他の陪審員相手に、熱弁を振るうが意見は却下。
ベアリングは死刑判決を受けてしまう。


マーシャルは独自に事件を調査を開始する。
やはり真犯人は他にいたのだが・・・。





ヒッチコックの初期の作品。
まだ科学捜査など無かった時代の裁判って怖い。
指紋を調べるわけでもなく、
靴跡を調べるわけでもなく、
ただ状況のみで、疑わしい人を逮捕。
陪審員の、「なんとなく」みたいな判断で、
死刑にされてしまう。


映画だから大げさに描いてあるにしても、
きっと冤罪も多かったんじゃないかなぁと、
そんな風に思った。
この映画は、ベアリングが美人だから、
マーシャルも必死になってくれたけどさ(笑)。


陪審員の話し合いで孤立するマーシャルの様子は、
「十二人の怒れる男」を彷彿とさせるが、
あの映画より27年も前に、
ヒッチコックは本作を作っていたのかと思うと、
やっぱり凄い人なんだとあらためて感心。


それから、真犯人の殺人の動機がちょっとショック。
今なら考えられないような理由なのだが、
昔は、大変な事、隠したい事だったのだなぁと、
可哀想な思いで観ていた。


評価 ★★★☆☆

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コメント 2

坊や

いやはや、怖ろしい映画ですねー。いいんじゃない、こんなところで・・
ハイ、死刑ね! みたいな。コワ~~ィ。 裁判の量刑の最終判断って、
どこかで、「なんとなく、こんなトコで」感はぬぐえません。
出来るだけ、裁かれる経験をしない人生でいましょうね。
ヒッチコックさんはやはり、とびっきりスゴイなー。
by 坊や (2011-07-21 16:05) 

青山実花

坊やさん

本当に、人が人を裁くって難しいと思います。
重大に思える事件が、
「え!?それだけ」って思えるくらい刑が軽かったり、
逆もまた然り。

今日も、「東電OL殺人事件」で、新しい事実が出てきたという
ニュースがありましたね。
(あの事件には、かなり関心がありますので、
 余計に気になります)
こんなに科学が進んだ現代でも、
14年も前の事件で、いまだにモメているのですから、
1930年なんて、どれだけいい加減だったんでしょう。
怖い事です。
by 青山実花 (2011-07-21 16:25) 

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