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「河内カルメン」 [映画]

kawachicarmen.jpg
〔1966年/日本〕


河内の山奥から、
麓の工場まで通勤する野川由美子は、
美しく、肉感的な娘で、男たちからも注目の的だった。


野川は、工場主のお坊ちゃん、和田浩治に惚れており、
和田もまた、まんざらではない様子だ。


しかし、仲の良さそうな二人に嫉妬した村の若い衆に、
野川は乱暴され、
さらに家に帰ると、母親が近所の住職と関係している姿を見てしまう。


家出した野川は大阪に出て、キャバレー勤めを始める。
キャバレーの客で、信用金庫をクビになった冴えない佐野浅夫は、
野川に惚れてしまい、
二人は同棲を始めるが、
ファッションモデルにならないかとの誘いを受け、
佐野と別れる。


モデルクラブのオーナー、楠侑子の家で暮らす事になった野川だが、
楠の同性愛の相手をさせられそうになり、
そこを飛び出し、
楠の友人、川地民夫の家に行く。


しかし、偶然、和田と再会した野川は、
今度は和田の家へ。


しかし、和田は借金を抱えており、
今度は、高利貸しの爺さんの囲われ者になり・・・。




今東光原作。
小説の方は知らないが、とにかく、野川の変わり身が早く、
話がどんどん進む。
上記に書いた先にも、まだまだ転身が続く。
野川はとにかく、あっちが駄目ならこっちといった、
物事にこだわらない性格で、
辛い話も湿っぽくはならない。


しかし、たった一箇所だけ、
しんみりと、そして大きくうなずける場面があった。
野川がファッションモデルになると決め、
佐野に別れを告げた時、
佐野は、「今までありがとう、楽しかったよ」と言うのである。
佐野が半狂乱になるのを覚悟していた野川は驚き、
「そんな風では、逆に別れる事ができない」と言う。
大喧嘩になって、その勢いで家を出るくらいでないと、
はずみがつかないと。


確かにね。
一度懇意になった男女は、
修羅場を見ないと別れられないという事か。
佐野は、「じゃあ怒った方がいいんだね」と、
言われるがままに、野川に怒ったセリフを吐くが、
そのままそっと、部屋を出てゆく。
淋しい最後であった。


古い映画を観ているといつも、
野川由美子がとても美しかった事に驚く。
目が大きくて、スタイルも良く、魅力的。
この映画の役にも合っていた。


評価 ★★★☆☆

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