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「夜の女たち」 [映画]

yorunoonnatachi.jpg
〔1948年/日本〕


終戦直後の大阪は西成。
戦争へ行っている夫が引き上げてくるのを待つ、
貞淑な人妻、田中絹代。
彼女は、夫の母、弟、妹と暮らしているが、 
結核に罹った子どもがおり、苦しい生活に喘いでいた。


ある日、田中は、復員兵の永田光男から、
夫は亡くなっていると伝えられ、ショックを受ける。
さらに子どもが亡くなり、
婚家を出た田中は、
永田の社長である藤井貢の秘書兼愛人になり、
なんとか暮らしていた。


そんなある日、田中は、戦後のどさくさで会えずにいた
実妹、高杉早苗と心斎橋で偶然再会する。
高杉は田中のアパートに身を寄せるが、
藤井と出来上がってしまい、
怒った田中は、全ての男に復讐してやると息巻いて、アパートを出、
夜の女にまで身を落とす。


高杉は、そんな田中を探して夜の街を彷徨うが、
高杉自身も、藤井から性病をうつされ、
妊娠している事に気付くのだった。


一方、些細な喧嘩で家を飛び出した夫の妹、角田富江は、
学生風の男に騙され、貞操を奪われてしまう。
自棄になった角田は、体を売って稼ごうとするが、
そこで田中と再会。
田中は角田を諭し、家に帰るように促すのだった。





婚家にいた頃は、貞女だった田中絹代が、
夫の死をきっかけに、
あれよあれよという間に落ちてゆく過程が凄い。
まるで人が変わったかのような様相である。


戦後の混乱期が本当にこのようだったのかは分からぬが、
女が自棄になると怖いというのが、
一番の感想である。


全体を通して、
「こんな社会ではダメだ、
 女はもっと自由に、
 男に振り回されない人生を」というメッセージ色が強く、
ちょっと説教臭い。


そんな事、分かってるよ。
あの人たちだって、好きであんな事してるわけじゃないじゃん、
今更言われたくない、と言いたくなるよ。


田中が角田を助けるラスト、
バックに聖母マリアの絵があったりするのも、
なんかあざとい。


40年代の大阪の街が映像で観られたのは
良かった。


評価 ★★★☆☆

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