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「ホワイトハンター ブラックハート」 [映画]

whitehunterblackheart.jpg
〔1990年/アメリカ〕


ワンマン・我儘で知られるクリント・イーストウッド演じる映画監督。
彼は、多数のヒット作を出してはいたが、
多額の負債を抱えてもいる。
彼は次回作の舞台をアフリカと決め、
若い脚本家、ジェフ・フェイヒーと共に、彼(か)の地へ赴く。


イーストウッドは、そこでユダヤ人差別発言をした女を、
手厳しく諌めたり、
黒人のボーイにつらく当たる白人を殴るなど、
意外と高潔な人物なのかも、と思ったのだが、
実は全くそうではなかった事が、分かってくる。


彼がアフリカに行った目的は、
象狩りの為だったのである。
野生の、より大きな牙を持った象を求めて、
アフリカの大地を彷徨い、
映画撮影は二の次三の次。


象狩りを断ったフェイヒーの方が、ずっとマトモな人間だ。
フェイヒーは野生の象の群れを見て、
「地球の一部だ、かなわない。自分が邪悪な異星人に思える。
神の創造の奇跡だ。悠久の歴史を感じる」と、
脚本家らしい巧みな語彙で、その美しさを称える。


イーストウッドのやる気の無さに、
フェイヒーの脚本も進まず、苛立ちは増すばかり。


脚本が完成しないうちに、俳優やスタッフが到着。
なんとか撮影できるまでになった所で、
突然の大雨が降り、
撮影が出来ないとなった途端、
トラックに飛び乗り、象狩りに出掛けてしまうイーストウッド。
取り付かれたように夢中になる彼に、
誰も掛ける言葉はない。
そして、そんな彼を待ち受けている出来事とは・・・。





これは、実在の映画監督、ジョン・ヒューストンをモデルだそうで、
映画、「アフリカの女王」を撮影している時のお話だそうだ。
けれど、私は「アフリカの女王」は未見なのだな。
それを知っていれば、先に「アフリカ~」を観たのに、
ちょっと残念だ。


とはいえ、この先、「アフリカの女王」を観たとしても、
この映画を観る事は、二度とない気がする。
私の好きなイーストウッドが、
象狩りに取り付かれた嫌な男だなんて、
そんな姿見たくない。


ちなみに、題名の「ホワイトハンター ブラックハート」とは、
「白人のハンター 邪悪な心」という意味だそうだ。


評価 ★★★☆☆

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コメント 2

yonta*

アフリカの女王、けっこう好きな映画です。
でも、象狩りメインで撮影していたとは・・全然知りませんでした。
私も象狩り反対!脚本家も役者も、それは怒りますよね。

by yonta* (2011-04-12 23:21) 

青山実花

yonta*さん
「アフリカの女王」、
私もいつか観てみたいです。

でもこの映画は特にお勧めはしません。
よほどのイーストウッドファンというなら別ですが・・・。
1940年代は、まだ動物愛護なんて概念は
なかったのでしょうが、
それにしても・・・。


by 青山実花 (2011-04-14 10:53) 

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