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「わが街」 [映画]

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〔1991年/アメリカ〕 


ヒューマンドラマでありながら、
最後まで緊迫感が解けず、ラストでやっとホッとできる展開。
良い映画を観た時に感じる、満たされた気持ちでいっぱい。
とても好き。


弁護士のケヴィン・クラインは、
ある夜、犯罪多発地帯で、運転中の車が突然故障し、
立ち往生する。
案の定、街のギャング集団に取り囲まれるが、
すんでの所で、レッカー車が到着、
運転手のダニー・グローヴァーに助けられる。


グローヴァーは真面目な男だが、
彼の妹の息子は、今まさに、悪の道に入ろうとしており、
グローヴァーや母親の忠告に耳を貸さない。


クラインの親友で、バイオレンス映画の監督であるスティーブ・マーティンは、
路上で強盗に銃で脚を撃たれ、
杖無しでは生きられない体になってしまう。


そして、クラインの妻、メアリー・マクドネルは、
ジョギングの最中、捨て子の赤ちゃんを拾うのであった。





これでもかと言わんばかりに、
アメリカ社会の暗部が描かれており、
登場人物たちはそれに翻弄されるが、
しかし、決して暗くはない。
様々な目に遭いながらも、彼らは他人との絆を大切に考え、
悩み、行動する。


特にクラインとグローヴァーは、事件の後、親しくなり、
グローヴァーの妹一家に、安全な地域にあるアパートを紹介したり、
グローヴァーに女性を紹介したりと、
友情を深めてゆく。


また、マクドネルは、拾った赤ちゃんのあまりの愛らしさに、
養子縁組をして、その子を育ててゆこうと決めるのであった。
脚の怪我が癒え、自宅に帰った当初のマーティンは、
「自分は強盗に遭って人生観が変わった。
もうバイオレンス映画を作るのは止めるぞ」と宣言するのだが、
その決心もほんの束の間。
数ヵ月後には、「あれは事件直後の気の迷い」などと言い出す。


人は喉元過ぎれば、色んなこと忘れてしまうんだなぁ、と思ったけれど、
そうだ、それでいいんだと、納得もした。
マーティンがバイオレンス映画がたまらなく好きなのは、
彼を見ていれば明らかに分かる事。
それは理屈ではなく、本能だもの。
自分が一番したいと思う事をして生きてゆく。
人に迷惑をかけない限り、それが一番なんだ。


原題の「グランドキャニオン」は、
グローヴァーが、自然に比べたら人間なんてちっぽけなものだと
例えるために言った場所。
その景観は本当に息を呑む。


評価 ★★★★★

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