「SPIRIT」

〔2006年/香港・アメリカ〕


偉大な武道家を父に持つジェット・リーは、
父に憧れ、鍛錬を重ね、
やがて天津一強い男と言われるようになる。


しかし、高潔だった父とは違い、
自分の力を過信し、傲慢で驕り高ぶった彼は、
親友の忠告を聞こうともせず、
やりたい放題の日々。


ある日、弟子の敵討ちに出掛けた彼は、
過剰な攻撃のせいで相手を殺してしまい、
その報復に、
最愛の母と娘を殺されるという、
最悪の結果を招く事になる。


生きる気力を無くした彼は、田舎に隠遁。
そこで農作業などを手伝ううちに、
自分の間違いに気付き、
もう一度武道をしたいという思いに駆られ、天津に戻る。


彼の強さは以前にも増して凄く、
アメリカ人格闘家さえ簡単に倒してしまうその能力に脅威を感じた
中国の外国人協会は、
リーに4人の格闘家と試合をさせるのだった。





ジェット・リーが演じるのは、
100年前、中国に実在したと言われている、霍元甲（フォ・ユァンジア）。
格闘の場面が殆どかと思っていたが、
霍元甲の成長物語のような形で描かれていた。


勘違いをしていた彼が、
田舎で働くうちに改心するというのが、
あまりにも単純ではあるが、
やはり人が変わるには、何かきっかけが必要なわけで、
大切な場面である事は間違いない。


4人の対戦相手の中の一人が中村獅童なのだが、
彼も大変に高潔な人間として描かれていたので、
日本人として、ホッとしたのも事実。


劇中、殆どの男性がしている、
頭の前半分が坊主で、
後半分は腰まであるような長い三つ編みという髪型は、
昔、中国では本当に皆がしていたのだろうか。
なんだか愛嬌があって可愛かった。
日本のちょんまげも、考えてみれば不思議な髪型だが。


評価　★★★☆☆