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「薄桜記」 [映画]

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〔1959年/日本〕


市川雷蔵と勝新太郎の競演。
二人共、容貌が特別派手というわけでもないのに、
映画に出るとめちゃめちゃオーラを放つ。


二人の全盛期をリアルタイムで観られなかったのは残念だが、
それを嘆くよりは、
こんな風に気軽に、
自宅で古い映像が楽しめるようになった今を感謝する気持ちの方が
私には強い。


本作の見所は、
何といっても市川雷蔵の刀さばきであろう。
ラスト、右手は無く、脚は鉄砲で打たれ、
立ち上がる事さえ出来ない彼が、
それでもバッタバッタと敵をなぎ倒してゆく様子は、
演出と分かってはいても、
惚れ惚れして見とれてしまう。


真城千都世を巡って勝が苦悩する場面も良い。
といっても、二人は表立って女を取り合いするわけではなく、
それは完全に勝の片思いであり、
その思いは誰も知らない。
これぞ運命と感じた女が、
市川の婚約者だと知った時の、
後頭部を殴られたような衝撃。
その心の葛藤を勝が見事に演じ切っている。


その真城がまた、市川に惚れきっていて
長期で留守にすると言った時の、あの切ない表情。
あまりにもあからさま(笑)。
しかし、その留守中に起こった事件により、
市川と離縁するしかなかった女の悲しみが、
私も辛かった


評価 ★★★★☆

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