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「洲崎パラダイス 赤信号」 [映画]

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〔1956年/日本〕


男と女の腐れ縁を描いた大傑作。
「女の人生、男次第」(逆もまた然り)の言葉もあるが、
相手にそうさせているのも、また自分。
でも別れられない。
これぞ宿命。


江東区洲崎の赤線地帯、「洲崎パラダイス」。
新珠三千代と三橋達也は、
金もあてもないまま、フラリとここへやって来る。
「パラダイス」と書かれたアーチをくぐり、
客たちは中へ入ってゆくが、
二人は辛うじて入り口で踏み止まり、
新珠はアーチ手前の一杯飲み屋で、
三橋は近所の蕎麦屋で働く事になる。


三橋は生活力のない、優柔不断な男で、
娼婦あがりの新珠は、
彼を物足りなく思い、
紆余曲折あるのだが、
結局別れられない。


パラダイスのアーチを目の前に、
ギリギリ踏み止まる新珠三千代が素晴らしい。
演技とは思えぬくらい役にハマっている。
そこはパラダイスを謳いながら、
地獄の入り口でもあると、
過去ある彼女はちゃんと知っている。


ダメダメな男として描かれている三橋達也。
しかしこれ、相手が新珠三千代だからそうなってしまう、とも言える。
例えば、彼が最初に出会ったのが蕎麦屋の芦川いづみだったら、
彼の人生も違うものになっていただろう。
でもそこは運命。
溺れた相手に身を任せる、それも良し。


評価 ★★★★★

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