「緑の館」 [映画]
〔1959年/アメリカ〕
革命運動の為、ベネズエラから追われてきたアンソニー・パーキンスは、
アマゾンのジャングルにある、
原住民の集落に辿り着き、拘束されてしまう。
集落の酋長(なぜか早川雪舟が演じている)から、
密林の奥深くに住む女を殺せと命じられ、
パーキンスが女を探すと、
それはそれは可憐で妖精のようなオードリー・ヘプバーンが現れ、
彼女が原住民から狙われている女だと知る。
彼女は心の美しい女で、パーキンスは女を愛するようになる。
ヘプバーンの作品の中では、
失敗作と言われる映画であり、
確かに退屈。
なにしろ、最初の30分は彼女が登場せず、
パーキンスの顔ばかり見させられて、焦れる。
監督が、当時ヘプバーンの夫だったメル・ファーラーなので、
出し惜しみしてるのかと思ったくらい。
でも、登場してからの彼女は、
それはそれは可愛くて、本当に森に住む妖精のようだ。
「ローマの休日」や、
「パリの恋人」や、
「ティファニーで朝食を」など、
私は彼女が都会の似合う女優だと思っていたが、
これを観るとそれだけではなく、
無垢な笑顔と、スラリと伸びたしなやかな体躯が、
密林に、とてもマッチしている事が分かる。
せっかく南米を舞台にした物語なのに、
殆どの場面がセットで、
それもこの映画を安っぽく見せる原因であるが、
時折、本物のジャングルの風景も織り込まれ、
特に滝の迫力は、いつもながら見入ってしまう。
評価 ★★★☆☆
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