「荒野の七人」 [映画]
〔1960年/アメリカ〕
「七人の侍」を西部劇でリメイクしたという本作。
でも、オリジナルを意識せずとも、
これだけでも十分に楽しめる。
「七人の侍」の、3時間半という長尺な映画を、
こちらは2時間で上手く纏めてある。
時間が短い分、テンポが良くて、
贅肉を削ぎ落としたような、
そんな印象。
定期的に現われては、目ぼしい物を全て持っていってしまうならず者集団に
悩み抜いた、小さな集落の人々が、
7人のガンマン(オリジナルは侍)を雇って、
集落を守ってもらうという前半のストーリーは同じだが、
後半は多少、変えてある。
ユル・ブリナーの鋭い眼光と、
ピシッと伸びた背筋に、大スターの貫禄を感じる。
スティーブ・マックィーンが、まだとても若い。
ガンマンに憧れた集落の少年の一人が、
「僕のお父さんは卑怯者だ。それに比べてガンマンはカッコいい」
と言った瞬間、
「何を言うか。お前たちのお父さんは、銃は持っていなくても勇敢な人だ。
重い責任を背負って、家族を守っている。
額に汗して働く事こそ、本当の勇気だ」と、
少年のお尻をぶって、一喝したチャールズ・ブロンソン。
他人の子どもであろうとも、
こんな風に諭すその様子と、その言葉の重みに心打たれた。
ただ、一つ思った事。
こういった、「敵を排除して幸せになりましょう」といったお話って、
排除したその後、どうなっちゃうんだろう。
案外、共通の敵がいるから、集落が纏まっていたのでは・・・、
なんて余計な事を考えてみたり。
評価 ★★★☆☆
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