「穴」 [映画]
〔1957年/日本〕
冒頭から不穏な空気。
銀行の支店長の山村聡と、部下の船越英二、
そして出納係の春本富士夫の3人は、
自分の銀行の金を奪おうと画策している。
画面変わって、女性ジャーナリストの京マチ子。
汚職警官の記事を書いた事が原因で、雑誌社をクビになり、
これからどうしようか、アパートの自室で思案中。
友人、北林谷栄の発言がヒントになって、
ある企画を思い立ち、雑誌社に持ち込む。
それは、1ヶ月の間、京マチ子は日本のどこかに隠れ、
懸賞金を掛け、
見つけられたら、見つけた人に50万円、
見つけられなかったら、京に50万円が支払われるというもの。
当座の生活資金を借りに、銀行に行った京マチ子は、
山村聡たちに、その企画を悪用されてしまい、
東奔西走するハメに・・・。
市川崑監督のクライムコメディコメディ。
テンポが良く、独特の雰囲気なのだが、
今一つ、乗り切れなかった。
私自身が疲れていたのかも(笑)。
北林谷栄が実年齢で出ていたり、
それから、石原慎太郎が俳優として出演して、歌まで歌っているなど、
珍しいものが観られるのは楽しい。
見所は、京マチ子の七変化。
シャツの襟を出したり押し込んだり、
カツラを脱いだり被ったり、
巻きスカートを付けたり外したり、
そんな事だけで、クルクルと別人のように雰囲気が変わって、
とても可愛い。
演技もコミカルで、身のこなしも意外なほどに軽やか。
京マチ子の新しい面を観たようで、新鮮だった。
評価 ★★★☆☆
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