「その男 ヴァン・ダム」 [映画]

〔2008年/ベルギー・ルクセンブルク・フランス〕
ジャン・クロード・ヴァン・ダムが自身を自嘲気味に演じるという、
ちょっと変わった映画。
年齢的な事や、人気の凋落、
私生活での離婚訴訟、
そしてついには銀行強盗を!?という、
スターゆえの苦悩がこれでもかと描かれている。
が、しかし、しかし、
ヴァン・ダムはとてもいい顔をしている。
たしかに、「彼ってこんな顔だったっけ」、と思うほど、
全盛期の頃より年を食ってはいる。
でも私は、それ故に、逆に愛おしさを感じたし、
良い仕事をして、良い年の重ね方をした男の顔だと感じた。
彼は落ちぶれてなんかいないと思う。
それに、自分で自分を笑うって、
出来そうで中々出来る事じゃないもんね。
冒頭のアクション映画撮影シーンの、
「47歳なんだから勘弁してよ」というセリフには笑ってしまった。
スターにだって、子供もいれば親もいるんだと、
当たり前の事ながら、あらためてそれを感じさせてくれた作品でもある。
特に親の愛って凄いものだ。
強盗をした、もうじき50歳になろうっていう息子を
「あの子は本当は良い子なんだ」と庇ってくれる。
親にとって、子供はいつまでも子供で、
子供に対する強い責任感も、死ぬまでそのままだ。
他のスターや監督の名前が会話に出てきて、
そんな部分も楽しかった。
ちょっと映画を裏側を覗いた感じで。
評価 ★★★★☆
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