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「雷桜」 [映画]

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〔2010年/日本〕


岡田将生扮する若殿は、幼少、母親から虐げられたことがトラウマとなって、
笑う事のできない人間に成長し、うつけと陰口を叩かれている。


蒼井優は、生まれて間もなく誘拐され、
山奥で野生児のように育つ。

 
そんな二人が出会って、恋に落ちるのだけれど、
ストーリーに深みが無いのが致命的。

 
蒼井の存在は、「天狗がいる」と里で噂になっているのだけれど、
それを、彼女の兄である小出恵介は「妹だと思う」と知っているのに、
探しにもいこうとしないのが不自然だし、
そもそも、蒼井が誘拐された理由というのも、
今一つ、弱い。

 
野生児のような蒼井だけど、なんだかそう演じる事に一生懸命で、
それらしく見えないし、
若殿を演じている岡田にも同じ事が言える。
だから二人が愛を語らう場面が、なんだか学芸会のように見えて困った。

 
さらには、彼女を育ててくれた時任三郎が死んだ時の、
蒼井のセリフが、あまりにもありきたりで、
こちらの方が恥ずかしくて、身悶えしたくなったくらい。


もちろん悪いことばかりではない。
岡田も蒼井も、吹き替えなしで、
乗馬のシーンを撮ったと何かで読んだ。
あんな風に馬を乗りこなせたら楽しいだろうな、と思わせられたくらい上手かったし、
岡田の刀さばきもキマっていたと思う。


柄本明の演技は素晴らしかった。
安定感のある、良い役者さんだと思う。
小出恵介も、凛としていて良かったな。


評価 ★★★☆☆

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