「紳士は金髪がお好き」 [映画]
〔1953年/アメリカ〕
「私が利口ぶると男が嫌な顔するの」
これはラスト近くでマリリン・モンローが言った何気ないセリフだが、
わたし的に勝手に一人で、「おぉ!」と思ってしまった。
この映画のほぼ全編を通して、
モンローは囁き声で話し、
多少頭は足りなくても、お色気で勝負、
お色気で金持ち男を摑まえる気満々の女を演じている。
そしてこの映画のモンローこそ、
世の人がイメージしている「マリリン・モンロー」そのものである事。
でも、上記の聞き逃しそうなセリフの時だけ、
彼女が素に戻った瞬間とでも言おうか、本音と言おうか、
そんな気がしたんだ。
もちろんこのセリフだって、脚本家が書いた事には違いないんだけど。
以前、向田邦子さんが随筆の中で、
「マリリン・モンローが亡くなった時、
馬鹿なフリする利口な女の時代は終わったなと感じた」と書かれていたが、
なんだか初めて、その意味が分かった気がする。
評価 ★★★☆☆
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